2011-07-31

●タイヤの窒素:No. 3794 2011.07.30

花。江別市文京台

昨日は一日のんびりとしていた。
買い物と用足し、
読書をして過ごしていた。
長男は昼前からクラブで練習試合に出ていった。
次男は午後から友人と公園で野球をしているようだ。

夫婦は買い物と車のタイヤ交換。
タイヤがだいぶ古くなってきたので
旅行にいく前に、4本交換した。
定期点検の時に指摘された。
周辺に細かいひび割れがあり、
タイヤもだいぶ減っているのがわかる。
まあ、今シーズンは大丈夫だろうが
旅行中にトラブルがあると困るので交換した。
ついでに、ワイパーのゴムも交換した。
その時に、タイヤに窒素を入れませんかという。
窒素を入れると、振動や音が改善されますよという。
まあ、無料だというから試しで入れた。
結果は・・・、
確かに、静かである。
タイヤを新しくしたから
静かになるはずである。
また、ホイールをとめているボルトも交換した。
静音が窒素のためだけとは思えない。
タイヤの中身で関係しそうなのは、
窒素だけと空気の時の差は
タイヤのチューブを膨らましている
反応しない気体として役割であろう。
多分平均分子量の差が重要になるだろう。
つまり、空気より窒素の密度の差による影響だろう。
平均分子量として、酸素の20%分の効果である。
窒素の右に酸素があるので酸素を含む
空気の密度の方が大きくなるであろう。
計算していないので、
そんなに大きな分子量の差にならない気がする。
その差がどの程度乗り心地に
影響するかはよくわからない。
まあ、人間は敏感なところもあるし、
こだわりもあるので、
定評ができれば、商品や商売になるのだろう。

2011-07-30

●夏休み直前:No. 3794 2011.07.30

今年は夏休みが待ち遠しかった。
それは、授業がなかなか大変であったこと、
あるいは大学の校務が大変であったこと、
昨年度1年の研究休暇がよかったこと、
いろいろなことが重なりあって、
今年の前期は大変を感じたのであろう。
そんな前期もあと定期テストを残すのみだ。
ただし、4年生の卒論の添削がこれからも続く。
順調に進めてくれればいいのだが、
サボっているのが多い。

●空飛ぶタイヤ:No. 3793 2011.07.30

池井戸潤著「空飛ぶタイヤ」
(ISBN4-408-53498-6 C0093)
を読んだ。
今年前期の直木賞作家となった。
そのような作品なのか、
手近にあった本を読んでみる。
なかなか面白く、
終わりがハッピーエンドなのだが、
大部で途中に重苦しい場面が多く、
気楽に読むには少々重い本となった。
しかし、なかなか面白かった。

2011-07-29

●ラジオ体操:No. 3792 2011.07.29

花。江別市文京台

今朝は霧が濃くかかっている。
そのせいか涼しい。
明日からの週末はゆっくりとしたい。
来週も予定がびっしり入っている。

昨日は4年生との飲み会だった。
夜、いつもの道を歩いて帰ったが、
同じ道も夜歩くと全く違った様子になる。
9時を過ぎても大学周辺は若者が歩いている。
昼間ほど賑やかではないが、
私が歩く早朝よりは人が多い。

朝、ラジオ体操が各地で行われている。
人数の多いところでも、
子供が少なく、高齢者が多数いる。
それより驚かされたのは、
高齢者は一生懸命体操をするが、
子供の一部はサボっている。
こんなことは私が子供ころはなかった。
子供の態度やモラルは
明らかに変わっているようだ。
嘆くだけでは済まない。
子供のせいではないのだろう。
家族関係や社会が
変わってきているのだろう。
一種の必然性がそこにあるのだろう。

2011-07-28

●それぞれの道:No. 3791 2011.07.28

アジサイ。江別市文京台

今朝は雲が厚く、太陽が見えない。
昨日と同様、少々蒸し暑い。
雨が降らなければいいのだが。

今日の夜は学生との飲み会である。
今の4年生とは、2度目のコンパだ。
ちょうど採用試験の一次の発表の後だ。

人には、人それぞれの道がある。
ひとつにして同じではないし、
時期が違えば、道の様相も違ってくる。
ある時は順調な平穏な道のときもある。
時は障害がある。
障害を乗り越えるのか、
回り道にするか、
別のコースをとるか。
その選択も人それぞれだ。
他人には人の道を理解出来ないし、
代行もできない。
ただ、見守るだけだ。
でも、いい結果、実り多い道中を願うだけだ。

EarthEssay 6_91 ランタノイド:レアアース2

EarthEssay
6_91 ランタノイド:レアアース2
を発行しました。

レアアースの中で、
ランタノイドと呼ばれる元素群は、
化学的性質が似ています。
ランタノイドは大局的な挙動は似ているのですが、
少しの性質の違いが、
トレーサーとして利用されています。
ランタノイドについて紹介します。

2011-07-27

●本人しだい:No. 3790 2011.07.27

葉脈。江別市文京台

今朝は、明け方雨がぱらついたようで
道路が濡れていた。
来るときはかろうじて降らなかったが
今にも降りそうな天気だ。
おかげで涼しくなったが
日が高くなれば蒸し暑くなりそうだ。

今週は4年生の卒業研究の論文を
添削している。
添削というより
内容や構成のレベルをみている。
ほとんどが不十分である。
再提出をした学生が多い。
今週から再来週にかけて
そのやりとりが続く。
ここでどこまで努力ができるか。
それが成長のきっかけになるのだが、
声援、助力はするが、
それ以降は本人しだいだ。

2011-07-26

●楽なはずなのに:No. 3789 2011.07.26

畑。江別市文京台

今朝は、晴れ間が覗くが、
黒い雲が覆っている。
少々蒸し暑い日である。

今週はまだ授業が続いているのだが、
いくつかの授業では、
最後のまとめのような授業もいくつかある。
比較的楽な週でもあるが、
別件がいろいろあって、
なかなか忙しい。
ただ、昨日はレポートの採点を
一気に行った。
講義数が減って受講者が少ないので
一気に採点が終わったので助かった。
大人数の頃は、
いつ終わるともしれない採点、入力を
ただ忍耐でこなしていた。
それと比べれば楽ではある。

●顔に降りかかる雨:No. 3788 2011.07.26

桐野夏生著「顔に降りかかる雨」
(ISBN4-06-263291-8 C0193)
を読んだ。
江戸川乱歩賞受賞作である。
桐野としてのデビュー作である。
少々だるいところがあったが、
なかなか面白い内容であった。
女性が主人公のハードボイルドとなっているが、
あまりハードボイルドなアクションはなく、
淡々と弱い起伏を持ちながらストーリはすすむ。

2011-07-25

●解説書:No. 3787 2011.07.25

花。江別市文京台

今日は晴れ。
風もなく、暑くなりそうな日だ。
数日前の涼しさがウソのような。
暑い夏が来た。

今週で授業終わる。
最後の授業のために、
いろいろしなければならない。
また、ゼミの打ち上げも2つある。
前期の成績の準備も
しなければならない。
そんな慌ただしさがある。

先日、論文が終わったが、
その直後から西予市の地質の
解説書の準備をしはじめている。
ある程度書いているのだが、
重要な専門的な内容を詰めるために
少々市民には難しいであろう
内容として書いている。
それもこの夏じゅうに
書き上げなければならない。

2011-07-24

●πとeの話:No. 3786 2011.07.24

YEO エイドリアン著「πとeの話」
(ISBN978-4-7917-6469-6 C0041)
を読んだ。
読むというより
級数の複雑さ、
あるいは収束級数と
その収束値の不思議さを
感じる本であった。
中学生でもその証明が
理解できるものは面白い。

●ストレス:No. 3785 2011.07.24


バラ。江別市文京台

朝は快晴である。
心地より天気だ。
気温も高くなりそうである。

今日は大学で
オープンキャンパスとAO入試がある。
担当があるので、
朝からいつものように出ている。
昼過ぎに終わるので、
それが終わったら帰宅する予定である。

四国にいるときは、
土日も関係なく執務室に出て、
7時から5時まで研究をしていた。
研究量は明らかに多い。
校務の分を差し引いても明らかに多いはずだ。
運動量も四国の時のほうが多かったはずだ。
なのに疲れていなかった。
疲れた感じはしなかったのは、
好きなことをしていたからだろうか。
今は疲れる。
それほどストレスの多い
仕事をしているのだろうかな。

●とんび:No. 3784 2011.07.24

重松清著「とんび」
(ISBN978-4-04-873891-0 C0093)
を読んだ。
父子家庭の成長物語である。
トンビがタカを生んだ
ことからとったタイトルだろう。
一組の親子だけでなく、
孫と子、近所の手厚い付き合い。
それが人や家族を
守り育てるのかもしれない。
そんなことを考えさせる物語であった。

2011-07-23

●なるがままに:No. 3783 2011.07.23

実。江別市文京台

朝は曇っていたが
晴れ間が見えてきた。

今日は4年生への課外授業があるので
朝から大学に来ている。
1講から4講まである。
明日はオープンキャンパスで
AO入試があるので
それで大学に来る。

息子たちはもう夏休みだ。
大学でも夏休みになっているところもあるが、
うちの大学のように
7月一杯授業をしているところもあるはず。
そして8月に定期試験をして、
前期を終了する。
一番暑い時に定期試験だ。
だが、今年の夏は涼しいようで、
少しはマシのようだが、
定期試験の時はどうだろう。
まあ、私が心配しても
天気や気候が変わるわけでもないし、
どうしようもない。
なるがままに。

●都立水商!:No. 3782 2011.07.23

室積光著「都立水商!」
(ISBN4-09-386079-3 C0093)
を読んだ。
発想が面白い。
多くの種類の職業学校があるのに、
水商売の学校がない。
それを解決するために
試験的につくられた学校
という設定の小説である。
非常にユニークな発想で
書かれた小説である。

2011-07-22

●夏旅行:No. 3781 2011.07.22

花。江別市文京台

今日は雲がぱらついているが、
晴れている。
朝は風が涼しく
上着が必要だった。
昼間暑くて窓を開けても、
夜は窓を閉めない寒くなる。

長男がサッカー観戦の抽選に落ちたので、
日程が空いたので、
夏休みに旅行に出かけることにした。
夏は道内である。
お盆前の日程であったが、
平日だったので予約ができた。
子供たちの希望で磯遊びがメインとなる。
天気がよければいいのだが。

2011-07-21

●矛盾する自分:No. 3780 2011.07.21

花。江別市文京台

今日はからりとした
夏らしい快晴である。
歩いていて心地よい。
昨日も晴れたが、
夜には寒くなってきた。
熟睡できる条件でもある。

夏休み直前になり、
いろいろ忙しくなってきた。
昨年1年間、研究休暇をもらったので、
いろいろな校務を断りにくい状態である。
そのため、次々と校務が押し寄せる。
他にもしなければならない、
研究もあるのにそれが進まない。
研究者でありたい自分、
教師でなければならない自分、
研究休暇を与えられた
権利として開き直れない自分、
校務にも必然性の少なさを感じる自分、
公平さの欠ける役割分担だと思う自分、
そんな矛盾する自分を
なだめすかせて日々を過ごす。

EarthEssay 6_90 存在度:レアアース1

EarthEssay
6_90 存在度:レアアース1
を発行しました。

先日、ニュースでも大々的に取り上げられたので、
ご存じの方も多いと思いますが、
海底から発見されたレアアースの大鉱床が今回の話題です。
そもそもレアアースとはどのようなものなのか、
そしてなぜニュースになるような話題なのかを
説明していきたいと思います。

2011-07-20

●夏:No. 3779 2011.07.20

虫。江別市文京台

今日は空半分に
青空が広がっている。
あとの北半分を雲が覆っていた。
梅雨前線は太平洋に
抜けていったようだ。
そろそろ北海道も
台風の影響ができそうだ。

授業も来週で終わりとなる。
ただ、定期試験もあり
成績評価をしなければならない。
夏休み中に書かなければならない原稿がある。
それが少々重荷であるが
引き受けたからには
やり遂げなければならない。
なかなか気の抜けない夏休みだが、
うまくすると家族で休みが取れそうだ。
それだけを楽しみに過ごそうか。

2011-07-19

●不調:No. 3778 2011.07.17

雫。江別市文京台

今日は霧が深い。
次男も長男も学校の夏休み前の
大きな行事が終わった。
次男の方は参加することがなかったが、
長男の学園祭は、
2日とも参加してしまった。
なかなか面白かった。

連休開けの今日は,
2校時目の授業の準備を急遽して、
レジメを作成しなければならない。
半分ほどは自宅でしていたが、
Wordの新しいバージョンが不調で、
終了処理をすると、
不正終了する。
面倒である。
バージョンダウンをしてしまおうか。
今週末に考えよう。
自宅での仕事に不自由している。

2011-07-16

●学園祭:No. 3777 2011.07.16

曇りである。
肌寒く少々寒く感じるくらいである。
天気が悪く残念である。

今日は長男の学校の学園祭である。
中学校と高校が一緒におこなうので、
なかなかいろいろな催しがあり楽しめる。
学食以外にも、保護者たちの食堂も開設され、
なかなか盛況になる。
2日間あるが今日だけでかける。
今日は家族分の食券、
明日は長男だけの食券を買っている。

●希望ヶ丘の人びと:No. 3776 2011.07.16

重松清著「希望ヶ丘の人びと」
(ISBN978-4-09-379797-9 C0093)
を読んだ。
長編小説であるが、面白かった。
母・妻を亡くした家族が
母・妻が中学校時代に住んていて
好きだった街に引っ越す。
その街にいるおなさ馴染み、
関係者、新たな出会い、そして彼らの家族たち。
母・妻の思い出をたどりながら、
この街の嫌なところ、人々の関係、
いろいろなことを知りながらこの町で暮らしていく。
そして最後には、この街や人びとが好きになっていく。

●武士の家計簿:No. 3775 2011.07.16

磯田道史著「武士の家計簿」
(ISBN978-4-10-610005-5 C0221)
を読んだ。
次男がソロバンを習っている。
そのためもあって、
映画版「武士の家計簿」を見た。
ドラマになっているが、
原作はノンフィクションの研究成果であった。
面白く一気に読んでしまった。
幕末から明治初期にかけての
武士の生活がわかりやすく書かれていた。

2011-07-15

●〆切:No. 3774 2011.07.15

ナナカマドの葉。江別市文京台

今日は曇り。
昨日は一日降ったり止んだりの天気であった。
今日も曇だ。
梅雨前線が北海道を覆っている。
一番いい時期に梅雨になっている。

今日は論文の〆切の日である。
ほとんど推敲も終わっているが、
あと少し推敲をしおきたい。
表がきれいに印字されないので
少々困っている。
イラストレーターの形式にして
CDで渡すことにしているが、
どうすればいいかわからない。

腰痛は痛みはおさまったが、
まだ違和感がある。
今日の夕方治療にいく。
ついでに、足や肩も見てもらおうか。

79 静内:秘境にかえる

 今回は私にとっての古戦場である静内川です。上流の高見ダムが卒業論文の調査地でありました。しかし、かつて高見あたりは、秘境と呼ぶべき奥地でした。そして、ダムができて30年ほどたった現在、再び秘境の地になりました。そんな秘境に河口から思いを馳せました。

 先日、教育実習の指導のため、静内へでかけました。実習指導は、受け入れ小学校があるので、失礼のないように、目的地には早めつくようにしています。約束の時までは、近所で時間を潰すことにしています。今回は、9時前後に訪問すればよかったのですが、8時頃に静内に到着しました。時間を潰すのは苦ではなく儲けものと思うことにしています。静かな自然のあるようなところを探して、ボケーっとすることにしています。
 静内は噴火湾に面した静内川の氾濫原に街があります。街の南側に、静内川があり、西側の海へ注いでいます。静内川河口の左岸には公園があり、のんびりと時間を過ごしました。朝の散歩をされているおじさんと、静内川について話しをしました。上流のことについても話しが及び、私にとっては懐かしく思い出されました。
 静内川の上流は、私が卒業論文のための野外調査をした思い出の地でもあります。思い出の地への再訪については、別のエッセイ(EarthEssay 4_65 古戦場の静内川へ 2005.10.20)で、書いたことがあります。6年前のことでした。思い出の卒論の調査地に行こうとしたのですが、下流側の静内ダムで通行止で入れませんでした。
 私の調査地は、上流側の高見ダム周辺とさらに上流でした。今回は、上流にいく時間がなかったので、思いを馳せるだけです。
 静内川の上流域は人跡も少ないところで、かつては川を遡上していく道はありませんでした。高見地区という集落があったのですが、南の三石の元浦川から、林道を通ってしか入ることができない秘境というべきところでした。
 私が卒業研究で調査に入ったのは、1979年の夏でした。高見ダムの工事の真っ最中でした。1978年から工事がはじまり、1983年7月30日にダムは完成しました。当時は「奥高見ダム」という名称でしたが、現在は高見ダムとなっています。「奥高見ダム」という名称は、高見という地区よりさら上流にあたるために、つけられた名称です。しかし、後に只見川にある「奥只見ダム」と混乱を避けるために、「高見ダム」に変更されたようです。
 私が入った頃には、ダム工事が本格化していましたので、静内川沿いに立派な道ができていました。道路は舗装こそされていませんでしたが、立派な道路がありました。ダムサイトは、2車線もある立派な道でした。ダンプや大型作業車がいっぱい走ってホコリを舞い上げていました。ホコリがたたないように、一日に何度も散水車が往復していましたが。
 ダムサイトにいる限り、多くの人がいて、作業車も動き回っているので、人里はなれたところにいる気配はしませんでした。売店もあり、簡易郵便局もガソリンスタンドもあり、ちょっとした村並でした。ただ、一歩奥まったところにいくと、そこには手付かずの自然が残されていました。私は、原付バイクで沢沿いを調査をしていました。そんな沢では、野生も身近にありました。エゾシカはもちろん、エゾクロテンやヒグマなどとの遭遇もありました。
 ダム現場から静内の街まで用事で往復するためには、原付バイクでは半日仕事になり、奥地にいることを実感させられました。そんな奥高見のダムの作業飯場に3ヶ月泊めていただき、調査をしました。
 このエッセイを書くために、当時の私の卒業論文「静内川中流域、高見周辺の緑色岩類について」を読み返しました。手書きで書かれた卒論は、本論が102ページ、付録として「オフィオライト問題について」が31ページありました。読み返すまで、細かい内容は殆ど覚えていませんでした。しかし読み返していくと、作成当時の苦労や、それなりの達成感など、いろいろ思い出しました。そして、この卒論の野外調査は、私が地質学の道を目指すきっかけとなったものでもあります。
 静内川の高見ダム周辺には、オフィオライトと呼ばれる岩石がでます。当時は海洋地殻を構成していた玄武岩は、変成作用を受けて、緑色になっていることが多く、緑色岩類というフィールドネームが、そのまま論文でも使用されていました。
 卒業研究の少し前までは、変成作用のせいではなく、緑色岩(スピライト、spirite)や輝緑岩(diabase)、ケラトファイア(keratophyre)と呼ばれる岩石を形成したマグマが存在していたと信じられていました。今では、スピライトは変成作用を受けた玄武岩で、輝緑岩はゆっくりと冷えて粗粒になった玄武岩(ドレライトとも呼ばれます)、ケラトファイアは変成作用を受けた酸性火山岩類であるとされています。私が卒論を書く頃には、そのモデルがやっと浸透する時期でもありました。
 そのころ、もう一つ重要な話題がありました。卒論の付録にあったオフィオライトに関する成因についてでした。スピライト問題は過去の間違いを正す議論でしたが、オフィオライト問題とは、未来に向かった議論でした。
 オフィオライトとは、海洋底を構成する岩石(海洋プレート側の岩石)で、プレートテクトニクスの作用で陸地の中(大陸プレート)に取り込まれたものです。ただし、この考えは当時広まってきた見解で、スピライト問題の反省から、すべてのオフィオライトは海洋地殻の断片であるという考えに先進的な研究者が囚われていました。ですから、オフィオライトをみれば、充分な検討もなされず、すべて海洋地殻起源と短絡的に考えられていました。
 オフィオライトの典型的な分布地としてキプロス島のトルードス・オフィオライトがありました、その起源について論争が繰り広げられました。すべてのオフィオライトは海洋底でできるという考えに異論が唱えられたのです。
 異を唱えた研究者、それは故都城秋穂さんでした。都城さんは、化学組成に基づいて、マグマの起源(形成場)を考えていこうとしました。化学分析値、現在の列島のマグマや海洋底のマグマなどのデータを集めて、形成場の違いによってマグマの組成が同変化するかをグラフとして示しました。非常に客観性のある分かりやすい姿勢でした。都城さんの論文は数々の議論を呼び、都城さん自身も何度も反論を受けて立たれました。その一連の議論をまとめたものが、卒論の付録でした。議論の結末は、現在では、都城さんに軍配が上がったと考えられています。
 この議論以降、化学組成に基づいてグラフにプロットして形成場を考えるという手法が、通常の手法として、広く使われるようになりました。さまざまな化学組成によって、いろいろなグラフが提案されています。
 当時の私がいた大学では、緑色岩が玄武岩マグマに由来するものとか、海洋地殻の構成岩石であるということも認めていない先生もおられました。私は、それらの説を覆すために、深海底でできた証拠、玄武岩マグマに由来すること、海洋の玄武岩に似ている証拠などをいろいろ探しました。卒論当時、化学分析をすることはできかなったので、決定的証拠を出すことはできませんでした。今では、当たり前に化学分析をして、簡単に決着を見ることができるのでしょうが、当時はそれもできませんでした。隔世の感があります。
 ダム工事も終わり、立派な道路があったのですが、高見ダムは、現在、再び秘境の地になりました。というもの、静内ダムより上流への道は通行止めとなっているためです。2003年に発生した十勝沖地震で、道路ががけ崩れで破損したそうですが、復旧されていないためといわれています。しかし、ダムの保守の人はどうしているのでしょうか。人事ながら心配です。河口から上流の秘境に思いを至らせる旅でした。

・ペテガリ岳・
静内川の上流には、
ペテガリ岳という山があります。
その山自体も上り下りが激しく
途中の眺望もあまりよくなく、
過酷な登山になります。
私も卒業研究のとき、
一日ペテガリ岳への登山をしました。
大変疲れましたが、
無事登頂をして帰ってきました。
ところが、今では、非常のアプローチの長い
川の渡渉が必要な難しいルートになっているようです。
私が調査していたことには、
ペテガリ山荘という無人の山小屋があり、
そこまで車で入ることができました。
山荘からペテガリ岳へは日帰りできるルートでした。
地質の巡検でも、ペテガリ山荘をベースにして、
地質学者を何度か案内したこともありました。
でも、今ではそれもできなくなりました。
非常に素晴らしい景観の秘境を手軽に楽しむことができました。
それも遠い過去の事になりました。

・夏休みの計画・
7月も半ば、夏休みの計画は立てられたでしょうか。
我が家の夏休みの旅行はできそうもありません。
私の大学の仕事が8月第1週まで定期試験があります。
その後、採点と評価があります。
でも提出はお盆明けですので時間は取れそうです。
ところが、長男がクラブあり、
さらに10日には日韓試合の観戦をするので、
お盆前には出かけられそうにありません。
お盆明けは、学校にが始まります。
お盆に動く気がしません。
さあ、どうしたものでしょう。
近くの川か海の穴場にでも、
ゲリラ的に日帰りで出かけましょうか。

GeoEssay 79 静内:秘境にかえる

GeoEssay
79 静内:秘境にかえる
を発行しました。

今回は私にとっての
古戦場である静内川です。
上流の高見ダムが卒業論文の調査地でありました。
しかし、かつて高見あたりは、
秘境と呼ぶべき奥地でした。
そして、ダムができて30年ほどたった現在、
再び秘境の地になりました。
そんな秘境に河口から思いを馳せました。

2011-07-14

●腰痛:No. 3773 2011.07.14

雫。江別市文京台

今日は雨。
雨の中を歩いてきた。

一昨日夕方から突然、腰痛になった。
ぎっくり腰ほどひどくないが、
腰を動かすと痛い。
昨夕、マッサージにいった。
少しは楽になったが、
まだ少々痛い。
明日の夕方も再度治療に良く予定。
腰痛があったも、
出てこれる限り、
講義は進めなければならない。

EarthEssay 2_92 3か4か:恐竜の子孫 3

EarthEssay
2_92 3か4か:恐竜の子孫 3
を発行しました。

今まで指番号を決めていた発生学的方法ですが、
より厳密に突き詰めて研究すると、
今までの見落としていたズレが見つかりました。
そのズレが、指番号の違いを生み出していました。
ズレの発見によって、
指番号の問題が解決し、
鳥は恐竜の子孫であるという説が
より磐石になりました。

2011-07-12

●コミュニケーション:No. 3772 2011.07.12

アジサイ。江別市文京台

今日は薄曇り。
風が強い。

長男の学校の学園祭が今週末にある。
一日だけだが家族で見学に良く予定だ。
学校では学園祭をかなり熱心に取り組んでいる。
毎日その準備にかかっている。
クラブもほとんど休んで
クラス企画の練習をしている。
今日は朝練があるのて
家内に送ってくれと言っている。
まあどうなるかは、家内次第だ。
朝一番のバスで行けばいいのだが、
早く付き過ぎるのでいやだという。
まあ、こんな要求も親子のコミュニケーションだ。
コミュニケーションの形態も
年令と共に変化していくのだろう。

2011-07-11

●アルコール:No. 3771 2011.07.11

アジサイ。江別市文京台

今日は曇り。
風はあるが、心地良い。
ただし湿度が多い。
日中、気温が上がると
不快なむっとした状態なるだろうか。

最近は寝床に入るとすぐに寝入り
ぐっすり寝ている。
それでも最近週始まりもすっきりしない。
疲れが抜けない感じがする。
ストレスが大きいせいだろうか。
最近、アルコールを摂るようになった。
家内が買ってきたので、
もったいないので飲んでいる。
とりあえず、今買い置きとして
ビール、ワイン、焼酎を
飲みつくしてから考えよう。
こう書くと私はいっぱい飲んでいるようだが、
ビール以外は以前に買ったものが
飲まずに残っているものを
処分しているに過ぎない。
私は、決して飲んべーではない。

2011-07-10

●オープンキャンパス:No. 3770 2011.07.10

今日は雨。
昨日は快晴。
ころころと天気が変わる。
暑くなってきた。
まだ、朝夕は涼しく、
昼間も耐え難い暑さではない。
これからも暑さは増して行くのだろうが、
今年は例年とは違っているようだ。

今日は次男のオープンキャンパスの日なので、
それに付き合うことになる。
長男はクラブ紹介で出るとといってたが、
雨なのでどうなるだろうか。
まあ、行事自体はあるのだで
長男以外は出かけることになる。

●フリーター家を買う。:No. 3769 2011.07.10

有川浩著「フリーター家を買う。」
(ISBN978-4-344-01722-1 C0093)
を読んだ。
面白かった。
一気に読んでしまった。
現代の若者たちの行動や
精神状態を反映しながら
何かに目覚め、そして行動をしていく。
一見最悪の条件が、幸運を呼ぶこともある。
そんな積み重ねが
人の人生を紡いでいくのだろうか。

●知っておきたい放射能の基礎知識:No. 3768 2011.07.10

齋藤勝裕著「知っておきたい放射能の基礎知識」
(ISBN978-4-7973-6568-9 C0242)
を読んだ。
福島第一原子力発電所事故にあわせて、
放射能についての基礎知識をまとめたものである。
大部分が既知であったが、
原子炉についていは
いくつか学ぶべきことがあった。
放射能について知りたい人には便利な本であろう。

2011-07-08

●自分の聖域:No. 3767 2011.07.08

雫。江別市文京台

今日は昨日と打って変わって雨。
夜半に一旦降ったが、
上がっていた雨が
朝、自宅を出るころから、
また降り出してきた。
しとしとした雨である。

次男が昨日から日高にいっている。
林間学校である。
今日は雨なので
どんなプログラムになるのだろう。
昨日は天気が良かったので
川遊びは楽しんだろうか。
こんなことを思うのも
子離れしていない親の思いなのだろう。
しかし、こんな行事の一つ一つが
家族の、子供の、親の
思い出になっていくのだろう。
成長と共に子供自身の世界が広がり
その世界の占める割合が
大きくなっていくはずだ。
そしてやがては、子供自身の世界の住人になる。
親は、子供のいない世界を
どれだけ持てるのかが
子離れした親の生きがいとなるのだろう。
多くの望みすぎす、
しかし、聖域というべき場も堅持しながら
いきていくべきなのだろうか。
その世界、聖域は、
今の私にとっては、なんだろうか。
以前から「研究」といってきたが
そうばかりいってきたが
それでいいのだろうか。
そんなことを考えてしまった。

2011-07-07

●楽しいひととき:No. 3766 2011.07.07

花。江別市文京台

今日は快晴である。
風も少しあるが心地良い。
久しぶりの朝の快晴だ。

昨日は静内に出張にいった。
Gogooleでかかる時間を見積もると
3時間半かかるとでる。
車に着けているSONYのカーナビでは、
2時間余りとなる。
実際には2時間程度でついた、
SONYの方が精度がいい。
カーナビは車にあるので、
確認するのが面倒だし
印刷できなので、
出発前にセットする。
まあ、予備時間も必要なので、
余裕を持った時間にでる。
6時にでれば、いつもと同じですむので
その頃にでれば、日帰りのところは
たいていその頃に出かける。
早朝は道路も空いているので都合がいい。
たいてい早く着き過ぎるが、
そんなときは、目的地周辺で時間を過ごす。
それも楽しみとなる。
遠くの地で、わずかな自由時間に
ありがたさを感じる。
昨日は静内川の河口近くの公園で
車を止めてのんびりとしていた。
その間、散歩中のおじさんと少し話をした。
昔、学生時代、上流で地質調査をしていたので、
その頃の話で盛り上がった。
楽しいひとときとなった。

EarthEssay 2_91 1か2か:恐竜の子孫 2

EarthEssay
2_91 1か2か:恐竜の子孫 2
を発行しました。

指は、親指を第1指、小指を第5指という
番号がふられています。
指の番号は、
今見えている指の順につけられているわけでなく、
発生学的に退化した指にも番号がふられています。
恐竜と鳥の指番号が違っていました。
これが、恐竜の子孫が鳥類である
という説において大きな問題でした。

2011-07-05

●リスと花びら:No. 3765 2011.07.05

エゾリス。江別市文京台

昨日の激しい雨と打って変わって
今朝は雲が切れだし、
青空が覗きだした。
ただ、蒸し暑い。
早朝だと、研究室にな風が通り、
涼しさがあるが、
昼には暑くなりそうだ。

昨日の嵐で食事をできなったのだろうか、
朝の涼しい時間帯に
いつもは見かけないところで
エゾリスをみかけた。

リスの隣の芝が絨毯のようになっていt。
昨日の激しい雨で、
ニセアカシアの花びらが、
一気に落ちた。
ニセアカシアの木々の下には
白い花びらが絨毯の模様のように
きれいに散らばっていた。

●春を嫌いになった理由:No. 3764 2011.07.05

誉田哲也著「春を嫌いになった理由」
(ISBN4-344-00734-4 C0093)
を読んだ。
ホラーサスペンス大賞特別賞の受賞後の
最初の作品である。
面白い。
2つの全く違ったストーリーが進みながら、
最後に合体する。
そこに霊媒師という不思議が絡みあう。
ただ、タイトルは少々疑問だが。

2011-07-04

●義務と権利:No. 3763 2011.07.04

バラ。江別市文京台

今朝は、激しい雨であった。
大学につく頃には、
ズボンの裾から靴の中まで
ぐっしょり濡れてきた。
研究室で靴下を脱いで乾かしている。

7月になった。
大学は、7月もいっぱい講義がある。
定期試験が8月にあるので、
しっかりと前期15講を行っている。
決められた学問時間を
確保することは重要である。
教員はそれをまっとうする義務がある。
学生はそれを聞く権利がある。
義務と権利は言い出せばキリがないが、
こんな言い方をするとどうだろう。
教員は15回の講義をする権利がある。
学生はそれを聞く義務がある。
義務と権利を入れ替えても成立する。
時にはそれのほうが
現実を表しているようにみえることもある。
そんな現実は間違っているのだろうか。

2011-07-02

●ダンサー:No. 3762 2011.07.02

柴田哲孝著「ダンサー」
(ISBN978-4-416-326140-9 C0093)
を読んだ。
遺伝子操作を受けたキメラ生物。
その生物「ダンサー」が遺伝子の命令に従って
使命を全うしようとする。
柴田氏の常連の登場人物が
時間を経て成長しながら話をすすめる。
面白い本であった。

2011-07-01

●刻まれる時間:No. 3761 2011.07.01

花。江別市文京台

今朝は、霞がかかってた。
暑くもなく、寒くもなく
ほどほどの気候だ。
しっとりとした心地良さだ。

7月上旬は前期の終に向けての校務、
大学の校務、
そして教育実習の出張指導、
論文の〆切などなど。
いろいろなものが押し寄せてくる。
どれも手抜きできないものだ。
論文の締め切り後は、
次の報告書を仕上げなければならない。
夏休み中の仕事になる。
まだ、粗稿の途中である。
やるべき事、したい事の〆切時間は
何もしなくても近づいてくる。
特に別のことにかまけている間にも
その時間は刻まれる。
気づくの間近に迫ってきていて慌てる。
今の私がその状態なのかもしれない。
しかし、乗り越えるしかない。

Monolog 114 心のビタミン:数学的論理不足

Monolog
114 心のビタミン:数学的論理不足
を読んだ。

人にはそれぞれ心に
ちょっとした満足感を与えてくれる
ビタミン剤のようなものが
必要なのかもしれません。
長期にわたって
ビタミンが不足すると、
いつしか心に不調や飢餓感が
生まれてくるのかもしれません。
そんなときビタミンが欲しくなります。
私とってビタミンは、
「数学的論理」なのかもしれません。