2013-10-31

●時間確保:No. 4585 2013.10.31

紅葉。江別

今日も霧が出ていたが
部分的で薄いものであった。

紅葉が盛りである。
葉が濃く色づき、
落ち葉がたくさんまっている。
今週中が盛で
来週には主だった木で
落葉がすんでいるのかもしれない。

昨日は講義と校務の空き時間を
すべて原稿を書きに費やしていた。
2つの原稿を書いた。
論文を書く時間をとれなかった。
今日も講義と明日の講義の準備があるが、
なんとか論文を書く時間を
確保したいものだ。

●化学探偵Mr.キュリー:No. 4584 2013.10.31

喜多喜久著「化学探偵Mr.キュリー」
(ISBN978-4-12-205819-4 C1193)
を読んだ。
私立総合大学での軽いミステリーである。
庶務課の新人職員と
化学准教授が事件を
解決していく短篇集である。

EarthEssay 1_120 日本の隕石衝突 3:地球規模

EarthEssay
1_120 日本の隕石衝突 3:地球規模
を発行しました。

日本の衝突の証拠は、
岐阜と大分の2ヶ所から見つかりました。
層状チャートの間にある泥岩には、
重要な地質学的意義があることがわかります。
この衝突現象が
地球規模で起こった出来事であったということでした。

2013-10-30

●進歩したい:No. 4583 2013.10.30

紅葉。江別

今朝は霧が深かった。
空にも薄く雲かかっている。
時間がたてば晴れてくるだろうか。

朝歩いている時
霧が風に流れて、
急に霧が去っていき、晴れてきた。
霧の端っこを見たのだろう。

昨日は授業と校務に追われた。
このところ毎日、
同じようなことを言っている気がする。
これが定常なのだ。
その中で優先順位をつけてこなしていく。
これもいつも言っていることだ。
とすると、私は日々停滞していて
進歩していないのだ。
まあ、仕方がない。
私は、こんなやり方しかできない。
愚痴を言いながら
日々やることに追われながら過ごすのだ。
でも、自分のしたい研究を続けたいなあ。

2013-10-29

●青空を愛でる余裕が:No. 4582 2013.10.29

落ち葉。江別

今朝は晴れだ。
放射冷却で結構冷え込んだ。
自宅は昨夜、寒かったので
ストーブをつけていた。
家内が寝る前にストーブを止めるを忘れていたが
それほど暑さを感じるほとではなく、
少々暖かい程度だった。
朝夕にストーブが必要な季節になってきた。

校務がいろいろあって、
心労と大量の作業量で
昨日は一日費やした。
いろいろ仕事がある中
論文を書き続けるのは、
なかなか大変だ。
今日も講義が3講あり、
卒業研究の全体説明と
個別面談もあるので結構忙しい。
まあ、愚痴をいってもしかたがないので、
淡々と作業をこなしていくしかない。
青空を愛でる余裕がないのがつらい。

●浜村渚の計算ノート3と1/2さつめ:No. 4581 2013.10.29

青柳蒼人著「浜村渚の計算ノート3と1/2さつめ」
(ISBN978-4-06-277301-0 C0193)
を読んだ。
軽いミステリーのシリーズだ。
このシリーズは数学を背景にしているから
好んで読んでいる。
ただ、軽すぎるので、
気分によってはあまり楽しめない。
今回はあまり楽しめなかった。

2013-10-28

●終わりない研究:No. 4580 2013.10.28

虹。江別

明け方まで降っていた雨が上がる。
しかし自宅を出るころは
まだポツリときていた。
傘を少しさしたがやがて上がる。
雨上がりの空に
タテに虹が出た。

買物や予防接種など用足しにはでたが、
土、日曜日は自宅にいた。
ただ、土曜日に家具を動かした。
1台は上から下に家具を下ろすので、
家内の二人でやった。
2台目は上げることになるので
子どもたちにやってもらったが、
かなり重かったので手伝った。
重くなかり力をつかったので、
日曜日には筋肉痛になった。
今日は少しましだが、
無理をしないようにしよう。

土、日曜日に少しの時間だが、
論文を書いていた。
大きく2つの事例を対比しながら
書く予定であったが、
1つの事例でかなりの
ボリュームになってきたので、
2つに分けることにする。
このような増殖はよくある。
考えながら書き進めると
終わりを想定しきれていないので
こんなことがよくある。
これは、発展的解決となっているのだろう。
研究は終わりなく続くのだ。

●ブレイキングポイント:No. 4579 2013.10.28

桂木希著「ブレイキングポイント」
(ISBN978-4-04-110460-6 C0093)
を読んだ。
日本銀行を襲うが、
何度もどんでん返しがある。
あまりにどんでん返しがありすぎるのと
そのどんでん返しの伏線が不明の部分がある。
彼の作品にはそんなところがあるので、
少々ついていけないところがあるが、
スケールの大きさに惹かれるところがある。

2013-10-25

●楽しい講義:No. 4578 2013.10.25

紅葉。江別

今日は雨である。
本州に来ている台風の影響だろう。
寒さはそれほどではないが、
寒さもすこしずつ増している。
それとともに紅葉が進む。

昨日は今日の講義の準備に
時間をとられ、
論文がまったく進まなかった。
昨年から始まった講義だが、
なかなか整理できないた。
ただ、この講義は私自身が楽しんでいる。
今日もできるだけ論文を進めたいが、
講義が2つあるので、
その余裕があるかどうか不明だが。
講義の準備は今日もすすめる。

2013-10-24

●1つ山を越える:No. 4577 2013.10.24

紅葉。江別

今日は雲が少々厚い。
寒さはそれほどではない。

週末は校務がなく休みだが、
台風の影響がありそうで
出歩けないかもしれない。
だからでもないが、
インフルエンザの予防接種を
受けに行く予定でだ。
子供達は来週の月曜日に小児科で受ける。
未だに小児科だが、
大人も来る内科でもあるのだが。
子供達も一回の接種で
すむようになったので楽になった。
以前は2回、数週間あけて摂取する必要があった。

昨日は、空き時間をみて、
論文を書き進めた。
昨日はだいぶ筆が進んだ。
今までなかなか進まなかった章ができた。
あと、いくつか山場があるだ、
1つの山は越えが気がする。
気を抜かず書き進めよう。

●そして粛清の扉を:No. 4576 2013.10.24

黒岳洋著「そして粛清の扉を」
(ISBN4-10-116561-0 C0193)
を読んだ。
残酷なシーンの連続である。
その残酷さには理由がある。
しかし、救いようのない終わりだ。
サスペンスホラーで
クライムミステリーでもある。
最後にどんでん返しがある。
少々重すぎる本であった。

EarthEssay 1_119 日本の隕石衝突 2:オスミウム

EarthEssay
1_119 日本の隕石衝突 2:オスミウム
を発行しました。

科学成果が普及するには、
多くの研究者がその論を信じ、
その方法を適用し、
その結果を次なる成果に利用することが必要です。
日本発のこの報告は、
どの程度普及するのでしょうか。
今後に期待できそうです。

2013-10-23

●自転車:No. 4575 2013.10.23

紅葉。江別

今日は雲がうっすらとかかっている。
このような雲は日が昇るにつて
晴れていくのだろう。
昨日より少し気温が低いが、
歩いていると体は温まる。

大学では先日から暖房がはいり出した。
歩いてつくといらないほどだが、
体が落ち着くと寒く感じることもある。
ただ、天気がいい午後は暑いほどで
昨日は窓を開けた。

昨日長男の放置自転車を
家内が取りに行った。
盗難された自転車が
放置自転車として
発見されたと連絡があったからだ。
少々傷んでいたが、
別の鍵がついていた。
明らかにとった人が使っていて
要らなくなったので
放置したのだろう。
近所の自転車屋さんで
整備をお願いする予定だ。
現在、長男は別に購入した自転車を乗っている。

2013-10-22

●新米:No. 4574 2013.10.22

紅葉。江別

今朝は晴れである。
雲がいつかあるが、
青空が広がっている。
寒いが先日の寒さは緩んでいる。

昨日は校務でバタバタしていて、
ひと通り終わった時点で
ぐったりした。

自宅に帰ると、
母から米が送られてきた。
待ちに待った新米だ。
大量に送ってきたので
倉庫にしまった。
一袋が30kgもあるので、
持ちあげるのは大変なので
自宅の床をすべらせて運んだ。
最後は荷をほどき
持ちあげなければならない。
そんなとき荷物で足をぶつけて
親指の爪を痛めた。
重いので長男に運ばせようと思った。
電話があって腹痛がするというので
バス停まで迎えにこさせた。
自宅に帰るとトイレに飛び込んだ。
役に立たない。
家内と私で運んでしまった。
まあ、腰を痛めずにすんだだけでよしとしよう。
苦労して運んだが、
まだ昨年の米が少し残っているから
新米を食べるのは少し先だ。

2013-10-21

●歯がゆさ:No. 4573 2013.10.21

紅葉。江別

今朝は雨である。
しとしと雨で
気温はそれほど低くない。
昨日の夕方あたりから
冷え込みは納まり
暖かくなってきた。

今日は校務でバタバタしそうだ。
こんな日が続いてる気がする。
そろそろ論文の本文を
書き込まないと間にあわなくなってくる。
集中したいが、なかなかできない。
空き時間でしかできないので
少々歯がゆい。
でも、その環境しかないのであれば
そこでやっていくしかない。

2013-10-20

●恋する創薬研究室:No. 4572 2013.10.20

喜多喜久著「恋する創薬研究室」
(ISBN978-4-344-02468-7 C0093)
を読んだ。
いつものように研究者や大学院生が
研究や研究室のコテコテのケミストリーで
繰り広げられる恋とミステリーだ。
軽くてなかなかおもしろい。
一気に読んでしまった。

2013-10-19

●冷え込み:No. 4571 2013.10.19

霜。江別

今朝は快晴の心地よい青空だ。。
放射冷却で冷え込んだので
朝はストーブをつけた。
冷え込んだため、
霜が白く降りていた。
霜も、日が昇ると
すぐに消える儚い存在だ。

今日は校務で大学に来ている。
昼には終わるので
その後帰宅する予定だ。

どんな時でも仕事で大学に来るときは、
いつものように早朝に来ることにしている。
大学に来れば、
何も考えずに定常業務を始める。
時間と心の余裕があれば、
少しでも研究をする。
今日も定常業務をして、
論文を少し書くつもりだ。
できるかどうかは
やってみないとわからないが。

2013-10-18

●校務、校務、校務:No. 4570 2013.10.18

紅葉。江別

朝は晴れ。
朝は東に雲があったが、
雲が切れて快晴になってきた。
心地よい青空だ。
午後も天気がよければ、
森を通って帰りたいものだ。

共架が大学の科研費の締め切りだ。
すでに出していた私の申請書を
担当の方が詳しく見てくれたので、
いろいろなミスが発覚した。
提出したもが、修正できた。
今日これから再度提出する。
論文の3校も昨日提出した。
一段落した気分が漂うが、
ほかの校務も控えている。
今日は、午前と午後に講義がある。
明日は校務で大学に出てくる。

2013-10-17

●山で積雪:No. 4569 2013.10.17

雫。江別

朝、晴れ間が見えていたが
激しい雨が降っていた。
降ったり止んだりの天気である。

かなり冷え込んだので
今朝は、厚手のコートを着てきた。
お陰で寒さは感じなかった。
ただし、手袋をしていなかったので
手が寒かった。
台風の影響と寒波が
北海道を覆っていたので
各地で雪が降った。
札幌近郊の中山峠でも
20cm以上の積雪があった
昨夜のニュースでやっていた。
少し早めだが、
秋から冬になりつつある。

●クリーピー:No. 4568 2013.10.17

前川裕著「クリーピー」
(ISBN978-4-334-92808-7 C0093)
を読んだ。
スリラーとミステリーが合体したものだ。
なかなかこったストーリーになっている。
面白い。
何度もどんでん返しがある。
そんな大きな構成の物語であった。
次作も読んでみたい。

EarthEssay 1_118 日本の隕石衝突 1:冪乗則

EarthEssay
1_118 日本の隕石衝突 1:冪乗則
を発行しました。

少し前に、日本で巨大隕石の衝突の証拠が見つかった
というニュースが流れたのを覚えておられる方がいるかもしれません。
その成果をだしたのは、
若い研究者とその指導教官や共同研究者たちでした。
そのニュースの意味を紹介したいと思います。

2013-10-16

●バックアップを忘れていた:No. 4567 2013.10.16

実。江別

今日は雨である。
気温がグッと下がって
コートに襟巻きでちょうどいい。
昨日は道北方面で冠雪がみられたようだ。

今朝、大学で自宅に持って帰えっていた
ハードディスクを
大学のメインのコンピュータに
データをコピーしていたら、
昨日自宅で作業したデータを
ポータブルハードディスクに
コピーし忘れていたことに気づいた。
いくつかのデータが
自宅のパソコンに残されたままだ。
まあ、しかたがないので
必要なデータでクラウドにある分を回収することにした。
少し時間要したが
最低限の復元をして、
朝の定型業務をスタートする。
少々時間を食い過ぎたので、
講義の準備を急がなければならない。

2013-10-15

GeoEssay 106 名南風鼻:太古を感じる

GeoEssay
106 名南風鼻:太古を感じる
を発行しました。

和歌山県の名南風鼻は、
人もあまり来ない小さな海岸から行くことができます。
この名南風鼻には、
黒瀬川構造帯の岩石がでているところです。
和歌山県ではもっとも古い岩石が分布しているところでも、
太古を感じることができるとこでもあります。

●自愛の日々:No. 4566 2013.10.15

雲が厚い。
時々雨が降る。
気温も低めのようだ。

今日は大学祭のあとの振替休日で、
大学は全学休講となっている。
4連休となるが、
私も自宅で過ごすことにしていた。
今日天気がよくて体調がよければ
家内と小樽でも行こうかと考えていたが
天気が悪すぎる。
風邪気味なので
自宅で無理をしないことにした。
昨日はいい天気であったが、
それ以外は雨で肌寒い日が続いた。
だから無理をせず、
自宅でのんびりとすることにしていた。
自愛の日々である。

昨日は午後からクラブの試合から帰った次男と
買い物と床屋に付き合った。
私もついでに買い物と散髪をする。
外出はそれだけ。
自宅では、衛星アンテナの設置の位置を変えた。
落雪で直撃を受けそうなので
別の場所に移した。
いったん動かすと位置合わせが予想通り大変だった。
まあなんとかなった。
以前からの懸案を
昨日、天気が良かったのでおこなった。
1時かもかからずできた。
一汗かいた。

今日は網戸の張替えをする予定で買い物をする。
スニーカーも前回の調査で
傷んだの新しいもの購入する予定だ。
考えるとあれこれしているな。
まあ、日常を過ごすとはこういうこのなのだろう。

106 名南風鼻:太古を感じる

 和歌山県の名南風鼻は、人もあまり来ない小さな海岸から行くことができます。この名南風鼻には、黒瀬川構造帯の岩石がでているところです。和歌山県ではもっとも古い岩石が分布しているところでも、太古を感じることができるとこでもあります。

 9月中旬、和歌山県から三重県にかけ、調査に出かけました。しかし、日本各地に被害を出した台風15号が関東を直撃した時が、出発予定でした。東京羽田経由で南紀白浜空港に向かう日程で、乗る飛行機便は欠航でした。空港のカウンターで手続きをするつもりでに、一番列車でいったのですが、すでに長い行列ができています。アナウンスでは、ネットから便の変更や払い戻しができるとしていましたが、つながりません。1時間以上並んで、別の便に変更をしてもらいました。羽田から白浜への乗り継ぎのできる便は、2日後しかとれず、調査日程は大きく変更しなければなりません。しかたがありませんが、予定を変更することにしました。
 もともとは5泊6日の予定でしたが、3泊4日となり、乗り継ぎの移動日もあるので正味2日間が調査日となります。当初は、和歌山から山間部も通り三重の海岸をポイントを定めて周る予定をしていたのですが、時間的に無理になったので、少ない地点を、集中的に周ることにしました。一日2箇所、すべてで4箇所を、何があってもみることを決意して調査にでました。そのひとつが、今回紹介する、名南風鼻です。
 「名南風鼻」と書いて、「なばえ(の)はな」と読みます。南風は、通常であれば「みなみかぜ」や「なんぷう」と読みますが、「はえ、ばえ」という読み方をすることがあります。いずれの意味はおなじで、文字通り南方から吹く風のことです。漁師たちは、南風が吹いたら、天気が変わる前兆と考えていました。天気予報などがなかった時代には、このような言い伝え、経験則によって、行動していたのでしょう。地名にも用いられることもあります。
 また、「鼻」は、鼻のように突き出した地形、海では岬状の地形に対してつけられる名称です。ただし、半島や岬より小さな地形に対して用いられているようです。
 名南風鼻は、和歌山県有田郡広川町にあり、紀伊水道につきでた岬になります。紀伊半島に向かって西に突き出た細長い地形をしています。名南風鼻の南側は険しい地形となっています。名南風鼻は、南風がよく当たる「鼻」だったのでしょうか。
 国道や県道などの幹線道路からはずれた、あまり観光客がくるようなところでもない、目立たないところにあります。岩石を見るにも、小さな山道を歩き、ヤブをくぐり抜けて海岸に出てみることができます。ただし、地質学では少々有名なところでもあります。和歌山県では最も古い地層が出ているところです。
 名南風鼻の周辺には、いくつか黒瀬川構造帯の岩石が分布しています。名南風鼻の南にある「ばべ鼻」、鷹島、黒島の4つの岩体で、他の地層や海で分断されていて関係は不明です。しかし、和歌山の黒瀬川構造帯の分布はこの周辺だけいなります。ですから、小さい分布ですが、地質学的には重要なものとなります。
 名南風鼻とばべ鼻の間には、後期ジュラ紀から前期白亜紀の池ノ上層と前期白亜紀の西広層があります。いずれも陸から浅海でたまった地層で、大陸棚の斜面にたまったものです。黒瀬川構造帯の岩石より時代は新しいのですが、黒瀬川構造帯や秩父帯によく見られる堆積物です。
 名南風鼻とばべ鼻は、狭い海岸を隔てて隣り合った岩体なので、もともとは一連の黒瀬川構造帯であったと考えられます。
 ばべ鼻は、ペルム紀の砕屑岩類とシルル紀からデボン紀の酸性凝灰岩(チャートに見える)、花崗閃緑岩、そして少しですが片麻岩もあります。名南風鼻では、ペルム紀の砕屑岩類、石灰岩、トーナル岩、玄武岩の貫入岩、石英閃緑岩、片麻岩、角閃岩、蛇紋岩などがあります。鷹島と黒島にはいけなかったのですが、似た岩石が分布しています。
 このような岩石群の構成と特徴、時代などは、各地に分布する黒瀬川構造帯のものと同じです。和歌山の黒瀬川構造帯は、狭い範囲の分布しかないのですが、典型的な黒瀬川構造帯に連続することを意味しています。
 黒瀬川構造帯は常に秩父帯の中に存在します。周囲の秩父帯とは、断層で接するのですが、もともとの関係は不明です。
 黒瀬川構造帯は、周辺の秩父帯より明らかに古く、由来の違った岩石群をからできています。秩父帯は、海洋プレートの沈み込みともなって形成された中生代のジュラ紀から白亜紀の付加体で構成されています。一方、黒瀬川構造帯は、古生代初期から中期の大陸地殻を構成していた岩石やシルル紀からデボン紀の堆積物、ペルム紀の大陸斜面などにたまった堆積物などからできています。そして、黒瀬川構造帯は、長く連続することはないのですが、秩父帯の中に点在しているため、密接な関係があることは明らかです。
 紀伊半島は、一般的な西日本(地質学では西南日本といいます)の太平洋側(地質学では外帯といいます)の地質体の同じ構成となっています。外帯とは、中央構造線より海側の地帯をいいます。
 西南日本の地質構造は、四国で典型的な配列を見ることができるのですが、中央構造線から海に向かって、三波川帯、秩父帯、四万十帯という並びになります。三波川帯は低温高圧の変成作用を受けています。秩父帯と四万十帯は、付加体と呼ばれる沈み込み帯特有の地質体からなっています。秩父帯が古い付加体で、四万十帯は新しい付加体となっています。各帯の付加体の中でも、海に向かって構成岩石は新しいものになっています。
 黒瀬川構造帯の起源は、完全には解明されていません。いくつかモデルがあります。「黒瀬川古陸」が取り込まれたとするもの、巨大な横ずれ断層で遠くから移動してきたとするもの、大規模な褶曲により移動してきたというものです。いずれも、周りの地質とは明らかに異なった古い黒瀬川構造帯の地質体を持ってくるためのものです。その作用は、地質学で考えられる造構運動を用いてたもので、その根拠も示されています。
 どのモデルも一長一短があり決着をみていませんが、ここでは有力な褶曲によるモデルを紹介しておきましょう。
 非常の大きな褶曲による動きを想定するモデルは「クリッペ」説と呼ばれています。大陸地殻や付加体などからなる地質体が圧縮作用を受けると、激しく褶曲していきます。圧縮が継続すると、時に倒れた褶曲(ナップといいます)ができます。アルプス山脈などに実例があり、大規模な褶曲により長い距離を移動することが知られています。倒れた褶曲のうち、根本が侵食され、先だけが残ったものをクリッペといいます。クリッペは、周りの地層のと関係が不明まま、異質なものとなってしまうことがあります。クリッペは「根なし地塊」ともよばれることもあります。
 西南日本は、古くから沈み込み帯があり、圧縮する力がかかり続けている場です。「クリッペ」説は、内帯の黒瀬川構造帯を構成していた地質体(現在の地質体との対応は不明)が、激しい褶曲で海側に倒れてきて、やがて褶曲の根っこの部分が侵食され、先端部分が黒瀬川構造帯として残ったという考えです。ある時期、秩父帯が広く分布している上に黒瀬川構造帯がクリッペとして乗っかった、という歴史になります。その後、削剥によって黒瀬川構造帯が切れ切れになったとしています。このモデルであれば、異質な黒瀬川構造帯、秩父帯との関係も説明できます。ただし、このモデルもまだ検証されていないところがあります。
 秩父帯は、紀伊半島では和歌山の海岸付近に少し分布していますが、山間部で消え、三重で再び分布します。三重から東海にかけて、フォッサマグナまで分布は連続しています。四国から紀伊水道は挟んでいるのですが、連続している秩父帯が、和歌山で途切れます。和歌山の秩父帯にともなって黒瀬川構造帯がありますので、山間部に黒瀬川構造帯はなくなり、和歌山県の西と三重県の東部に細長く分布しています。
 秩父帯が消えているところは、北に四万十帯が張り出していることになります。分布が消えているのには、それなりの理由があるはずです。四万十帯には熊野酸性岩類が貫入しています。そのような貫入が四万十帯の高まりを生じ、秩父帯を消していったのかもしれません。このような分布の原因は、海溝に海山が沈み込んでいるためという考えもあります。
 名南風鼻へのルートは、資料があったので大体わかっていたのですが、狭いルートをいくことになっていました。山道は見つけたのですが、途中で森を降りる踏み跡があったので、そこを降りて行きました。もしかするともっといいコースがあったのかもしれません。最後は孟宗竹の藪こぎをして、海岸にでました。
 狭い海岸でしたが、苦労して辿り着いたところは、感慨もありました。ただし、帰りのことを考えると少々気も重いでしたが。やっと辿り着いた露頭ですから、じっくりと眺めよう思いもうまれます。南風もなく、穏やかな快晴の日です。ここでは、太古を感じることができます。
 本来ならもっとじっくりと時間をかけ、それこそぼんやりと佇(たたず)みたいたい気分のところでした。次の地点をめぐる予定もあったのと、食事も飲み物も用意していませんでしたので、見終わったらすぐに帰ることにしました。もちろん、同じコースを帰るときは、藪こぎをし、林の中の急斜面を登ることになりました。少々疲れましたが、達成感が湧いた調査となりました。

・デジャブ・
名南風鼻の露頭をみたとき、
景色は全く違っているのですが、
愛媛県西予市の須崎海岸の黒瀬川構造帯の露頭を思い出しました。
須崎海岸には、西予市にいたときや、
西予市の調査で何度か行ったことがありました。
岩相は似ているところもあるのですが、
露頭の様子は全く違います。
でも、デジャブ感があったのはなぜでしょうか。
なかなか再訪は難しいので、
その謎は解けないでしょうが気になります。

・キャンセル・
飛行機の欠航によって、予定が大幅に変わり、
レンターカー会社、旅館へのキャンセルなど
いろいろ連絡をしました。
荷物もすでに送っていますので、
連絡も早めにしなければなりません。
どうスケジュールを組み直すのか
早急に決めかねればなりません。
そんな連絡もいろいろ大変な思いをしました。
もちろん、費用はもどってきませんが、
旅館のキャンセル料もとられなかったので、
痛み分けというところでしょうか。

2013-10-14

●earth code:No. 4565 2013.10.14

Generation Time著「earth code」
(ISBN978-4-478-01269-7 C0040)
を読んだ。
感傷的な記述ながら
説得力のあるものだ。
「そろそろ”地球”を語るのをやめにしないか?」
という言葉は同感である。
地球を守るをお題目に、
結局、本格的変化はないような気がする。
それを感性に強く訴える。
こんな方法もあるのだ。

●体調と天気次第:No. 4564 2013.10.14

二日間、自宅でじっとしていた。
天気も悪く、風邪気味でもあった。
子どもたちはクラブの練習や試合で不在である。
家内も昨日は次男のサッカーを応援に行った。
最近上手になったそうである。
私は、自宅で原稿を書いていた。
夜、家族で久しぶり夕食にいった。
私は、あと2日間ゆっくりと休む予定。
本当なら明日天気がよければ、
出かけたいのだが。
これは不明だ。

●図解プレートテクトニクス入門:No. 4563 2013.10.14

木村学・大木勇人著「図解プレートテクトニクス入門」
(ISBN978-4-06-257834-9 C0244)
を読んだ。
サイエンス・ライターの大木氏と木村さんが書いた。
基礎的だが、最新の情報に基づいた話題が
紹介されいてる。
プレートテクトニクスの最大の課題であった、
原動力と内部の実態が明らかになってきた。
プレートテクトニクスもこうしてみていると、
詳細の時代、個別記載の時代に
なってきたいる気がする。
ただし、まだ見落としもいっぱいあるはずである。
付加体がない沈み込み帯での構造侵食、
デラミネーション、前弧スリバー、
アスペリティー、サイレンス地震など
まだ詳細が必ずしも明らかでないものもある。
これからどう展開していくのか楽しみでもある。

2013-10-11

●風邪か:No. 4562 2013.10.11

紅葉。江別

今朝は曇りである。
風があり、肌寒かったが、
歩いていると暑くなってきた。

昨日、快晴で天気が良くなり、
朝は放射冷却で寒いくらいであった。
日が高くなると、暑くなってきた。
講義中、ひどく汗をかいた。
そのためだろうか、
少々風邪気味になっているようだ。
夜中、寝苦しさでうなされた。
朝には、汗をかいていた。
無理をせず、
ひどくならないうちに直さなければ。
今週末は連休なので
無理をせずにおこう。

2013-10-10

●実習で雨:No. 4561 2013.10.10

落ち葉。江別

今朝は晴れである。
朝は雲がかかっていたが、
時間とともに、
青空が広がってきた。
台風は抜けて太平洋にいったようだ。

昨日の実習で校内で落ち葉拾いをしたが、
その間小雨が降っていた。
傘をもっていない学生もいたが、
あまり気にせずに歩いていた。
講義が終わる頃には
雨が上がっていた。

今日は講義と会議がある。
やるべきことも多い。
しかし、連休と大学祭の代休で
授業は4連休となる。
少し息をつきたいものだ。

●とっぴんぱらりの風太郎:No. 4560 2013.10.10

万城目学著「とっぴんぱらりの風太郎」
(INBS978-4-16-382500-7 C0093)
を読んだ。
万城目氏、2年ぶりの小説となる。
万城目ワールドを期待して読んだ。
もののけも出てくる時代劇である。
奇想天外さが
今までの作品に比べると少ない気がする。
せっかくもののけがでてくるので、
もっとそれを活かした展開を期待した。
また、豊臣家の子孫がでてくるので、
それがプリンセストヨトミに続く伏線になり
そのような展開が続くのかと思ったが、
違った。
連載小説からの単行本化だったので、
本来はもっと続くストーリが途中で終わらせたか
とも思った。
すべての伏線がおさまる続編に
期待したいのだが、
どうなることだろう。

EarthEssay 4_109 祝「四国西予」日本ジオパーク認定

EarthEssay
4_109 祝「四国西予」日本ジオパーク認定
を発行しました。

富士山の世界遺産認定で世間は、
少し前から沸き立っていますが、
世界ジオパーク、日本ジオパークというものもあります。
私が関わっていた四国愛媛県の西予市も日本ジオパークに、
隠岐が世界ジオパークにとして認定されました。
ジオパークの近況を紹介します。

2013-10-09

●仕事が一杯:No. 4559 2013.10.09

実。江別

今朝は曇り。
台風の影響だろうか、
雲が厚い。
気温も昨日より
少し下がっているようだ。
午後の講義は実習なので
雨がふらないといいのだが。

今日は講義2つの、
学生との面談、
重要な校務、
明日の講義の準備、
今日締め切りの原稿、
今週末提出予定の科研費の書類・・・
仕事を挙げていくとうんざりするので
優先順にこなしていくしかない。
今日は特に忙しいので
早くスタートしなければ。

2013-10-08

●いろいろと:No. 4558 2013.10.08

ナナカマド。江別

今朝は曇が厚い。
少々気温も高い。
湿度も高く蒸し暑い。
歩いてくると、
一汗かいた。

台風が近づいているようで、
雲の流れが激しい。
明日は実習で、
外に出て落ち葉を拾う。
そのため、雨は困るので
天気が気になる。

昨日は先日の調査の整理をした。
すぐに整理は終わったが、
動くと暑くなって一汗かいた。

昨日は、学生対応をして、
科研費の書類を作成をした。
申請システムの変更で
ログインできなかったので
パスワードの再発行をしてもらった。
書類は、今週中に提出する予定だ。

2013-10-07

●時間と頭を使え:No. 4557 2013.10.07

ハルニレ。江別

快晴である。
少々肌寒かったが
心地よい天気であった。

土曜と日曜日、2日間、
しっかり休んだ。
プールにいこうかと思ったが、
プールが行事で使用できなかった。
子供達は、土日とも検定や試合で出ていた。
土曜日には家内はPTAで、
日曜日には送迎をしていた。
まあ、私は留守番でもある。

来週は、大学祭がある。
そのため、変則な休みとなる。
それに合わせて講義の準備を
金曜日までにして置かなければならない。

休みの日には、
自宅でデーテ整理をしていた。
論文がはかどらないが、
先週は新しい表をひとつ書いただけだ。
時間をかけていない証拠だ。
やりたいことに
時間を頭と使わなければならない。

2013-10-04

●終末のパラドックス:No. 4555 2013.10.04

桂木希著「終末のパラドックス」
(ISBN978-4-04-873883-5 C0093)
を読んだ。
壮大が展開が、
数人の中心人部を中心に起こる。
いろいろに張り巡らされた伏線が、
終焉付近で回収される。
その回収が強引なところ
必然性の小さいところがあり、
少々残念だ。
しかし、面白い。

●疲労の原因:No. 4556 2013.10.04

萩。江別

快晴である。
昨日の午後から涼しくなってきた。
今朝の快晴の
放射冷却で冷え込んだ。
コートを着てきた。
暖かいのもいいのだが、
涼しい方が過ごしやすい。
まあ、10月だから
涼しくなって当たり前のだが。

今週は久しぶりに週末が休みとなる。
いつくかやりたいことがあるのが、
車が使えないので
どうなることやら。

日々疲れているのは
校務が休日にもあるためだと。
しかし、よく考えると
後期は講義数が増えている。
前期も疲れていたが、
そのため後期は、
より精神的にも体力的にも
疲れているだろう。
これは後期の間は続きそうだ。

2013-10-03

●疲労の日常化:No. 4554 2013.10.03

キノコ。江別

今朝は晴れである。
ここ数日の暖かさは少しおさまった。
風が強く体感温度が低めであった。
しかし、少し前の肌寒さはなかった。

毎日、疲れている。
疲れが定常化してきた。
ぐっすりと眠るしかない。
疲れた体での生活が
パターン化してきた。
日常化した疲労で体が馴れてきた。
疲労するという日常があって、
それを毎日過ごしていくということだ。
これも人の適応なのだろう。
本当にいいのだろうか。
まあ、他の有り様はないのだが。

EarthEssay 2_119 火星生命 4:パンスペルミア

EarthEssay
2_119 火星生命 4:パンスペルミア
を発行しました。

生命はどこから来たのか。
これは、人類のルーツにもつながる重要な問いで、
古くから考えられている問いでもあります。
答えがありそうで、
なかなか見つからない問いであります。
そんな難しい問いに対して、
古くからあり、
そして新しくもある答えが提示されてきました。

2013-10-02

●キノコ:No. 4553 2013.10.02

キノコ。江別

今朝は霧が出ていた。
昨日までの雨も上がって、
天気が回復していきそうだ。

以前にも何度か見たこのとあるキノコを
通勤途中の林にあった。
昨日も歩いている時に見たが
雨だったので撮影は諦めた。
今日も残っていたので写真にとった。
鮮やかな色だが、
毒々しさにも見える。

体が疲れている。
どうしたものか。
昼間は一応通常どおりの活動ができる。
睡眠でなんとか疲れを
とっていることになっていのだろう。
まだ、週の半ばにもなっていないのに
どうしたものだろう。

このエッセイを書きながら、
他の作業をしていると、
ついつい時間がたってしまった。
今日はここで終わりにしよう。

2013-10-01

●疲れが・・・:No. 4552 2013.10.01

雫。江別

今朝も小雨が降っている。
気温はほどよい。
大学に来るころには、
しっとりと汗ばむ。

しっかり寝ても、疲れが抜けない。
夜も布団に入ると
すぐに寝入ってしまう。
昨日も本を読みながら
電気をつけっぱなしで寝ていた。
次男が電気を切りに来てくれた。
本を取ろうとした時、
ハッとして目が覚めた。
次男もそれに驚いていたが
助かった。

講義に校務、書類作成、
学生や保護者対応、
あれこれと細切れの作業が続く。
精神的にも疲労が続く。
やるべきことは
次々とやってくる。
それを優先順位をつけて、
順次こなしていくしかない。

Monolog 141 道具をつくる人:心は自由に

Monolog
141 道具をつくる人:心は自由に
を発行しました。

シリアの化学兵器使用が国際問題になり、
一時は戦争の危機もありました。
悪意を持った道具の使用は、
使用者が罪問われるのは当たり前ですが、
道具を作った人は罪に問わません。
少々複雑な思いがしますが、
それが健全だと思います。
今回は地質学から離れて、
道具と作者の関係について考えていきましょう。