2014-12-31

●今日も研究を:No. 5094 2014.12.31

坂道の街灯。江別

今朝は、激しい雪が降っていた。
明け方あたりから降りだしたのだろうか、
除雪車が動いていない。
それとも、年末なので
除雪車が動かないのだろうか。
大学に着く頃には止んでいたが。

今日も大学で計算を続けている。
昨日はデータ処理をしていたが、
終わらなかったからだ。
終わらしたつもりだったが、
変換したファイルの数が違っていた。
ファイルの数が多いので、
どのファイルが足りないのか不明だ。
全部で4000個ほどファイルがあるのだが
250個ほどのファイルが足りない。
足りないファイルを
昨日から今日にかけて、
変換したつもりが、うまくいってない。
現在、その修正をどうしようかと悩んでいる。

データ変換のかたわら、
昨日、研究を少しはした。
データを集めていた。
現在、課題に思っている内容が、
どうもまだ決着をみていないようだ。
それを確認していく必要があることと
課題を再整理しておく必要がある。
もう一つの課題についてのデータも
収集をしていく必要がある。
データは大量にあるのだが、
できれば、レビュー論文を見つけたいのだが、
なかなか見つからない。

●読書メモ:No. 5093 2014.12.31

今年は、145冊の読書メモをした。
中でも小説をよく読んだ気がする。
精神的に疲れていると、
気分転換に小説を読んでしまう。
専門書はなかなか読まなくなった。
必要で目を通す専門書は多数ある。
購入してる本でみると、
専門書の方へ使用している
金額の方が多いだろう。
娯楽のための本は、
古本で購入することが多いので、
使用金額は以前と比べると
少なくなっているはずだ。
しかし購入冊数は
多くなっているような気がする。
書店で見て、思いつきで
買う本がかなり少なくなってきた。
街に出なくなったせいもあるのだろ。
ネットで選んで関連したテーマの本を
購入することが多くなった。

最近の研究者の傾向として、
専門書より一般向けの
新書などでの出版が
多くなってきたような気がする。
新書でも論文ではないが、
最新情報が紹介され、
そこに著者のアイディアが提示されている。
なかなかおもしろ状況である。
科学好きの市民や、初学者、
知的好奇心を満たしたい人には
非常にいい状態である。

●地球はどうしてできたのか:No. 5092 2014.12.31

吉田晶樹著「地球はどうしてできたのか」
(ISBN978-4-06-257883-7 C0244)
を読んだ。
コンピュータによるマントルの
シミュレーションからみた
地球の仕組みを考えた本である。
大陸移動のメカニズム、
マントル対流の実態を知る方法を
まとめたものである。

2014-12-30

●昨日も研究ができない:No. 5091 2014.12.30

坂道の街灯。江別

今朝は、冷え込みがそれほどではない。
昨日は午後から暖かくなり
昼過ぎには雨となった。
夜にはさすがに冷え込んで
朝にはかなり凍っていた。

昨日は、データ処理がまったく終わらなかった。
今日もその続きをすることになった。
また、論文の作業が進められなかった。
データ処理の合間に
原稿を2本かいて、
1本は終わらせ、
もう1本は下書きをした。
しかし肝心の研究が進まない。
まあ、しかたがない。
今日は原稿を仕上げ、
研究を進めよう。

2014-12-29

●気になる課題:No. 5090 2014.12.29

霧と街灯。江別

今朝は、霧が深い。
霧が地面の数mの低いところを漂っている。
逆転層が低いところにあるようだ。
夜明け前の幻想的な景色となっていた。
12月21日の冬至から1週間過ぎたが、
まだ夜の明けるのは遅い。
寒さはこれからだ。

今日はデータを処理をすために大学にきた。
コンピュータが研鑽をしていたのを
終わっているかどうかを確認しなければならない。
大学で昼すぎまで作業をする予定だ。
今日の作業次第で、
明日の作業がどうなるかは不明だが。

子どもたちもクラブ活動が
今年の分が昨日で終わり、
家族がやっと自宅で過ごす日になる。
ただし、私が大学にでいるが。

土日は、自宅で論文のための
データや文献を集めていた。
そしていくつかの文献を読んでいたら、
検討すべき課題が明らかになってきた。
次に予定していた論文の構成を改め、
きっちりと深く検討していくべき
課題がでてきたのだ。
それは、今までの論文の流れとは
少し違った内容になるので別論文である。
しかし、今の研究の流れを押えるためには
その内容をキッチリを検討して
論文にすべきだと思えてきた。
それは、前の論文を書いているときに、
すでに気になっていたところでもある。
その点を今日は時間があるかぎり
検討していきたいと思っている。
ちょっと抽象的でわかりにりくだろうが、
アイディアの部分だからしかたがない。

2014-12-26

●データ収集:No. 5089 2014.12.26

夜明け前の雪原。江別

昨日は結構、雪が降った。
今朝も除雪がはいった。
ただ、雪の量は少なかった。

昨夕は会議があって、
少々遅くなった。
雪の中を急いで歩いて帰ったら
腹が減ってきた。

昨日はデータを処理した。
これは第一陣で、
今日からはデータの第二陣をはじめる。
4分の1程度なので少々楽だ。

もうひとつ、論文用のデータと文献を
収集していたが、
なかなか集中できなかった。
しかし、重要な文献で
持っていたが関連の部分を
見忘れていたものを思い出し、
一通り目を通すことができた。

今日は何も予定がはいってない日なので、
自分のために時間を使える。
少し来年の講義の
準備をしておく必要があるのだが。
あと、原稿も2つ書いておかねばならないが。
考えると、なかなか休息をとれないのだが。
暮と正月は休むのだからいいとしよう。

●The Profiler:No. 5088 2014.12.26

柴田哲孝著「The Profiler
悪魔は天使の胸の中に」
(ISBN978-4-19-893159-9 C0193)
を読んだ。
もとFBIのプロファイラーと
日本の刑事がネットをもちいた
サブリミナル効果を利用した
殺害計画の犯人と戦う話しである。
なかなか面白かった。

2014-12-25

●大量のデータを扱う:No. 5087 2014.12.25

雪の朝に。江別

昨夕から、雪が振り続け、
今朝は上がったが、
かなりの雪が積もった。
もちろん明け方に除雪がはいった。
ふかふかの雪の中を歩いてきた。

昨日の午後に、
4年生の卒業研究の発表の予行演習をした。
途中に休みを一回入れたとき
おやつを差し入れしたら、
学生たちがクリスマスケーキを買ってきていた。
休み時間の予定を延長して、ロビーで食べた。
予行演習のあと、近くで飲み会をした。
近くで早くから始めたので、
2時間半の飲み放題だったので
早めに終わった。
そのあと私は、すぐに帰ったので
9時過ぎに自宅に帰り着いた。
そのおかげで、今朝は起きるのが楽だった。
学生たちは、これで今年の授業は終わりだ。
私は、まだ続く。

あるデータのぼちぼちと
ダウンロードを続けていたが
やっと終わった。
現在、データを処理している。
これもなかなか大変だ。
サブのコンピュータを動かしぱっなしである。
ただし、手作業でつづける必要がある。
128GBのUSB上でデータの展開をしている。
今日中には終わらない作業となりそうだ。

その他にも、論文用のデータ整理と
論文の収集と読み込みを空き時間みてしてきた。
大変だけど、なかなか楽しいことでもある。
今日からはじっくりと研究に取り組める。

EarthEssay 6_125 2014年を振り返る:STAP細胞はなんだったのか

EarthEssay
6_125 2014年を振り返る:STAP細胞はなんだったのか
を発行しました。

年末のエッセイで、
毎年ではありませんが、
その年を振り返ることがあります。
今回も科学で一番の話題となったであろう
STAP細胞について振り返ります。
そこに何があったのでしょうか。
教訓として学ぶべきことはなかったのでしょうか。

2014-12-24

●優先順に:No. 5086 2014.12.24

吹雪く道。江別

今朝は、細かい雪で吹雪いていた。
一昨日から今朝にかけての雪で
つるつるの道もおさまった。

今日は午前中に補講、
午後に卒業研究の予行演習があり、
そのあと4年生との忘年会になる。

その間に、事務処理をしていく。
来年早々の講義の準備は
少々難しそうだが、どうなるだろうか。

その間をぬって、論文用の
データ集めをしたいがどうなるだろうか。
なかなか難しそうだ。

やらなければならないこと、
やりたいこと、
何をするか、どこまでできるかは
優先順位にやるしかない。

●銀座ブルース:No. 5085 2014.12.24

柴田哲孝著「銀座ブルース」
(ISBN978-4-575-51447-6 C0193)
を読んだ。
戦後の数年間に起こった、
不思議な事件、帝銀事件、山下国鉄総裁事件、
昭電疑獄事件、小平事件など
現実にあった事件や
実在の刑事や裏で動いた人物などが
登場して物語がすすむ。
短篇連作集だが
共通する何人かの登場人物が
物語が進み、事件の時系列とともに
人の関係も進む。
この作家はやはり面白い。

2014-12-21

●積み残しのテーマ:No. 5083 2014.12.21

昨日は一日、自宅でのんびりと仕事をした。
収集していたデータの整理をして、
その合間に、以前メモしていた
アイディアを図に起こした。
その結果、もっとデータを集める
必要があることが明らかになった。
それに加えて、現在もっているデータの
整理を続ける必要もある。
それにともなって、他の文献も当たる必要もでてきた。
さらに重要なこととして、積み残しの発覚があった。
前の論文を受けて、次の論文構成としての
アイディアを考えていた。
次なる論文に進む前に、
積み残した部分がまだあることに気づいたのだ。
さらなる検討すべき内容があり、
それにともなって、再度の調査目標が出てきた。
果てしなく研究は続く、どこまでも。
それも楽しいことなのだが。

●西川麻子は地理が好き:No. 5082 2014.12.21

青柳碧人著「西川麻子は地理が好き」
(ISBN978-4-16-790221-6 C0193)
を読んだ。
地理を題材にした
小さなミステリーの短篇集である。
地理の知識をいろいろ使った謎解きが使われている。
まあ、それに力を入れすぎたせいか、
ミステリー時代の謎は深くない。
他の青柳の作品と同様、
軽いミステリーである。

2014-12-19

●全データを集める:No. 5081 2014.12.19

木。江別

朝から雪が降りだした。
昨日はツルツルの路面であったが、
今朝は雪がかぶって少し歩きやすくなった。

昨日も暴風雪の警報がでていた。
学校はあちこち2日続きで
休校になったようだが、
我が大学は休校の条件が違うので
通常の講義になった。
天候も穏やかであった。

昨日は講義の会議の合間に、
データ収集をした。
以前したデータは
ざっとみて都合のいいものだけ集めたのだが、
全データをダウンロードして
すべてのデータを収集して、
そこから必要なものを集めることにした。
今日はサイトのデータを
再度チェックをしてOKなら
データを集計していくことにする。

●気候変動はなぜ起こるのか:No. 5080 2014.12.19

ブロッカー著「気候変動はなぜ起こるのか」
(ISBN978-4-06-287846-2 C0244)
を読んだ。
オーシャン・コンベアーモデルを
提唱した研究者が書いた
一般向けの本である。
最終氷期から現在の間氷期への
転換をテーマとしている。
1000年周期の海洋循環を
水温と塩分濃度(熱塩循環)が
原因であるという説である。
しかし、この本から、
大きな気候変動の原因究明することの
難しさがよくわかる。
生涯をかけて研究している
多くの人の努力をもってしても、
結論にはいたらないのだ。

2014-12-18

●危険回避:No. 5079 2014.12.18

雪の生け垣。江別

今日も大荒れという予報だが、
穏やかな朝である。
昨日は温かく道路の雪が溶けて
夕方には冷え込み、
道路がツルツルになった。
最悪の状態である。
歩いて帰るのに怖いほどであった。
夜に、少し積雪があった。
道路は下は凍っているが
だいぶ歩きやすくなった。
ところが、嵐の気配がない。
どうしたのだろう。

危機管理をどうするか。
私は自己責任が基本だという考えである。
天気予報やニュースなどの情報は重要であるが、
その情報をどう判断するのか。
危ないといっても、
自分が安全だと判断することもありだろう。
ただし、これには自己責任が伴う。
逆に情報が安全だといっても、
自分が危ないと思えば、
自己判断で回避することが重要である。
このような対処は、
平時には過剰な防御反応や
臆病者にみえるかもしれない。
しかし、危機があった時、
最善、もしくは最悪の回避をすることが
重要だと私は考える。

EarthEsay 1_139 地球の水の起源 5:水のブレンド

EarthEsay
1_139 地球の水の起源 5:水のブレンド
を発行しました。

最新のガス捕獲説ですが、
これを受け入れたとしても、
脱ガス説もレイトベニア説の選択は残るります。
なぜなら、ガス捕獲説は、
太陽系の誕生する前の分子雲時代の話だからです。

2014-12-17

●大荒れ?:No. 5078 2014.12.17

ナナカマドとツララ。江別

今日は大荒れの天気という予想である。
昨夕から温かく、ベチョベチョの雪だったが
昨夜は建物がガタガタするほどの風が強かった。
しかし、今朝は穏やかだ。
今朝は凍っていて、歩きにくい。

大荒れの予定だったたので、
昨日いろいろものが変更になっていた。
今日の夕方から打ち合わせがあるはずが、
急遽中止になっていた。
予定が狂ったが、しかたがない。
今朝は穏やかな天候で、
乗り物も通常通りに運行されている。

隙間時間をみて、データを収集している。
重要なデータを一つは見つけたが、
もういくつかのデータを見つけたい。
卒業研究の添削も
今日の午前中で終わりそうなので、
午後からは研究に専念できる。
その時にいろいろデータ収集を
していこうと考えている。

2014-12-16

●論旨とデータ:No. 5077 2014.12.16

ツララ。江別

今日も冷え込んだ。
晴れ間もあったが、
雲が厚く広がっている。

昨日は9名の卒論を添削をした。
6名にOKを出した。
今日は3名をみることになる。
今日中に全員提出する予定である。
卒業研究の締め切りは明日だが、
危険回避として今日出す予定である。
さあ、どうなるだろうか。

隙間時間をみて、
次の論文のためのデータを収集している。
過去と現在をつなぐための思考実験だ。
重要な論拠になるものは、
現在から連続する過去のデータである。
連続的タイムレコーダが必要となる。
海底・湖底堆積物、年輪、氷床コアなど
化学組成のデータは膨大になる。
しかし、自分が欲しいデータは
簡単には見つからない。
考えたら、データを見つけることよりも、
論旨をはっきりさせてから
論をすすめるのに必要なデータを
見つけることが重要であろう。
つまりは頭を整理しろということだ。

2014-12-15

●びっしりと添削:No. 5076 2014.12.15

ナナカマド。江別

昨夜は知らない内に、
かなりの雪が降ったようだ。
朝、除雪が入っていた。
根雪になりそうだ。

今日は、朝から夕方まで、
びっしりと添削が入っている。
その間に講義の準備ができるかどうか。
なかなか難しいが、
なんとか9時までにひと通り
やって置かなければならない。

さあ始めよう。

120 野付の砂嘴:砂と森と人のサイクル

 野付半島は道東でも有名な観光地です。野付には、大地と海が織りなす砂嘴の形成と浸食のサイクルがあります。もっと短い、森の形成と渇死のサイクルもあります。砂と森と海の生み出すサイクルの中に、人の生活が営まれています。

 今年の9月下旬に、野付の近くまで来た時に、夕方に少し余裕があったので、足を延ばし、野付半島を訪れました。夕方まであまり時間がなかったので、駆け足でみることになりました。服もスーツで、足元も革靴だったのですが、整備された環境なので、楽に見学することにができました。9月下旬の平日にかかわらず、思った以上に観光客が訪れていました。風が少々あったのです、北国の快晴の青空のもとで、野付の砂と森、海の織りなす景観を見ることができました。
 野付半島へは、国道244号線(ホッポーロードと呼ばれています)を、標津からすぐ南の道道950号線(フラワーロード)に入っていきます。この950号線は、野付半島を通っている唯一の道となります。950号線を進むと、やがて竜神崎の手前で通行止めになっており、そこから先は関係者しか入れなくなっています。
 野付半島の付け根は標津町になっていますが、途中から別海町に変わります。道路を走っているとこの飛び地は、少々不思議な感じがします。ところが、船を中心に生活している漁業関係者からみると、野付半島の南に一番飛び出た岬は、別海町のすぐ前でまであり、その距離は非常に近いことがわかります。
 野付半島は、北海道の東部にある小さな半島です。北に知床半島、南東に根室半島があります。知床半島と根室半島の間には、国後(くなしり)島が食い込むように入り込んでいます。間の海は根室海峡、一番狭いところが野付水道と呼ばれています。
 野付水道に、ちょろりと小さなひげかエビのしっぽのように突き出ている野付半島があります。半島というにはあまりに小さなものです。野付半島から北の海を見ると、高い山並みが北へと続く知床半島がみえます。海を隔てすぐ目の前には、北方4島の一つ、国後島が間近に見えます。ちなみに根室半島の先端の納沙布岬からは、歯舞(はぼまい)諸島の一つ水晶島が間近に見えます。
 野付半島の形は、地図で見ると非常に奇異なものです。この形は、砂嘴(さし)と呼ばれものです。砂嘴とは、海流によって運ばれた砂が浅い海岸にたまって、鳥の嘴(くちばし)のような丸みをもって曲がった地形です。
 野付半島は、全長26kmもある、日本でもっとも長いものです。この砂嘴は、国後島と北海道の間の根室海峡を通る潮流によってできたものです。北の知床半島の火山岩(主に安山岩)が侵食によって海に流れ出たものが、供給源となっています。
 野付半島は、通常の砂嘴よりも複雑な形をしています。砂嘴の内側に次々と丸みをもった枝分かれした砂嘴が形成されています。このような枝分かれているものを、分岐砂嘴と呼んでいます。それは、地球の環境の変化と大地の変動が組み合わさってできてきたと考えられます。
 野付半島の先端に近い竜神崎で、140mのボーリングがおこなわれたのですが、その結果によると、120mより深いところは火山灰層あります。120mから27.5mまでは、砂まじりの粘土となります。ここまでは、火山に近い海底の堆積物です。その上は、砂になっています。
 氷河期には氷が陸域に発達するので、海水の量が減り海退がおこります。一方、間氷期には陸の氷が溶けて海水が増え海進が起こります。これが、地球規模の気候変動に呼応した海水準の変動となります。しかし、ボーリング結果をみると砂嘴の形成はもっと後のことです。砂嘴の形成は、縄文海進が終わって、現在と同じような海水準になった後、3000年くらい前からはじまりました。
 もともと非常に浅い海域であったこの地は、海水準の変動を非常に受けやすくなります。小刻みな変動であっても、敏感に反応していきます。
 ある推定(岡崎, 1989)によると、野付半島では、3000年以降、1mから2m程度の海水準の上昇が2度あったとされています。その際、砂嘴の形成や浸食が起こりました。3000年以来、現在がもっとも低い海水準だと考えられています。
 その推定によると、沖に向かってエビのしっぽのような丸みをもった砂嘴が、8個も形成されるような変動が起こったとされています。その結果、野付半島では、沖に向かって次々と新しい「しっぽ」が、分岐砂嘴として形成されていきました。
 気候と大地の変動には、大きなものから、ささやかなものまであります。野付半島の地形を形成した変動は、ささやかなものを反映していると考えられます。野付のあたりは、海が浅く広がっていたため、非常に敏感にその変動を受け取りました。その敏感さが、枝分かれした不思議な砂嘴を形成したのでしょう。
 砂の営みよりさらに敏感なものがあります。それは生きものです。安定した陸地があれば、そこには植物が生えます。トドマツやミズナラの大木が森林をつくっていました。
 北海道のアイヌ文化以前の7世紀ごろから13世紀にかけての擦文(さつもん)時代(本州では飛鳥時代から鎌倉時代後半)とされる遺跡が、半島中央部のオンニクルの森で発見されています。江戸時代の中頃まで、トドマツやエゾマツ、ハンノキ、カシワなどの原生林があったとされています。
 江戸時代以降も、この地は、ニシンのいい漁場になっていました。野付の砂嘴ごとに多数の集落が形成されていました。春になると、各地から多数の人が集まり、一番外の砂嘴には、50棟から60棟の小屋が立ち並んでいたといいます。その痕跡は、「荒浜岬遺跡」として敷石が残されています。
 その後、地盤沈下がおこり、海水が侵入してきました。植物は逃げられないので、海水が来たところは、木が枯れてしまいました。この立ち枯れの木が、まだ多数の残っているところがあります。ミズナラが枯れたところをナラワナと呼んでいますが、そこには海岸線に沿って多数の立ち枯れの木が残っています。一方、トドマツが枯れたところをトドワラでは、立ち枯れの木が一部に残るだけで、塩湿地となっています。
 近年は、砂の流出が起こっていようです。高潮や低気圧の接近があると、海水が道路まで押し寄せることがあるようです。もし海面上昇、あるいは少しの地盤沈下があれば、野付半島は敏感にその影響を反映するでしょう。
 野付半島に訪れたのは、これで3度目でした。前回は2006年の5月、それ以前の訪問はだいぶ前で記憶も定かではありません。もし、8年前やもっと以前の記憶が定かであれば、比較できれば、森や人の暮らしの変化に気づけたかもしれません。
 野付半島の分岐砂嘴の骨格あたるものは、大地の変動が数千年から数百年のサイクルで形成されているものです。しかし、植物はもっと短い百年から数十年のサイクルで変化しています。そのスケールは人の歴史のサイクルに呼応しています。野付の砂嘴は、砂と森と人のサイクルを反映しているようです。

・大地の敏感さ・
野付半島は、このエッセイで2006年6月号で紹介しています。
今回、再訪したので、また紹介することにしました。
以前来た時と比べれば、
観光施設が充実していたように見えました。
砂嘴自体が移ろいやすいものです。
そこを基盤に、森が消長していきます。
さらに人の活動の盛衰も繰り返し起こっています。
これからも、野付の砂嘴は
敏感にいろいろな変化を映しとっていくのでしょうか。

・根雪・
北海道は、一気に冷え込み、雪が繰り返し降りました。
その繰り返しで、大地は一面雪に覆われた光景となりました。
根雪に覆われたかのような真冬の光景となっています。
道路はガリガリに凍り、ツルツルになりました。
歩くのが恐ろしくなります。
このまま気温が上がることなく、
雪が降リ続けば、早い根雪となるでしょう。
もしそうなら、今年の冬は
長くつらいものになりそうです。

GeoEssay 120 野付の砂嘴:砂と森と人のサイクル

GeoEssay
120 野付の砂嘴:砂と森と人のサイクル
を発行しました。

野付半島は道東でも有名な観光地です。
野付には、大地と海が織りなす
砂嘴の形成と浸食のサイクルがあります。
もっと短い、森の形成と渇死のサイクルもあります。
砂と森と海の生み出すサイクルの中に、
人の生活が営まれています。

2014-12-14

●本、発見:No. 5075 2014.12.14

並木道。江別

昨夜は飲み会疲れで眠かったはずなのに
すぐに寝付けなかった。
しかし寝入るとぐっすりを深い眠った。
夜中に一度目覚めたが、
また深い眠りに入れた。
5時前に目覚めたが
疲れが抜けていないようなので
もう一度寝ようとしたが
眠れず、本を読みだした。
少し読んだら、目がさめてきたので
起きて、いつものように作業を始めた。

自宅には、読みかけの本と
階下の書棚に戻すべき本を
一時的に置いている棚がある。
そこの本を整理していたら、
一昨日町の喫茶店に忘れてきた
と思っていた本がおいてあった。
なんということか。
一昨日の夜は酔っ払っていたので
そうしたことを完全に忘れ去っていたようだ。
その本を見た瞬間、
忘れないようにそこに本を置いた行為を思い出した。
人間の記憶とはいかに危ういものか思い知らされた。
同じ本を買わなくすんでよかった。

●木嶋先生の静かな世界:No. 5074 2014.12.14

森博嗣著「木嶋先生の静かな世界」
(ISBN978-4-06-21-6636-2 C0093)
を読んだ。
いい本である。
森氏の本はミステリィ以外では
あまり読んだことがなく、
読むの自体も久しぶりだ。
この本は久しぶり感動した本である。
静かだが頭脳の巨人である木嶋先生と
そこに配属され研究者というものに
成長していく主人公の精神的な成長を描いている。
静かだが、そこには壮絶な精神性が蠢いている。
私も大学院時代に、
こんな気持の時があったことを思い出させてくれた。

2014-12-13

●本を紛失:No. 5073 2014.12.13

坂道。江別

今朝は、冷え込んでがりがりの凍っている。
歩きにくい。
明け方除雪車の音がしていたようだ、
道路は除雪がはいっていなかった。
気のせいだろうか

今朝もいつものように大学に出ている。
大学では入試があるが
私は担当ではない。
卒業研究の添削で追い込みだ。
今日も6名の添削をする予定だ。

昨日、大学の飲み会があった。
気のあった人たちと飲んだ。
楽しかった。
でも、気を使わなればならない人もるので
少々気疲れれもする。

今朝、読みかけの本を
読もうとかばんを探したが見たらない。
昨日、会場に行く前に時間があったので
喫茶店で本を読んでいた。
その後、本を読んでないので
多分その喫茶店に忘れたようだ。
残念だ。
再度、購入することになるのだろうか。

2014-12-12

●自分の信じるところ:No. 5072 2014.12.12

坂道。江別

昨日は昼間暖かかったので、
雪がベチョベチョに溶けた。
昨日の夕方から今朝にかけて
雪が降り、冷え込んだ。
今朝は、新雪の下が、がりがりのでこぼこで
非常に歩きにくい状態になっていた。

今日は大学の飲み会だ。
それまで講義と添削の予定が
ぎっしりと詰まっている。
添削は明日もやらなければならない。
教員には休みがない。
ただし、真面目にやっている教員にはだが。
卒業生をみていると
本当にこのような手間を掛けることが
役に立ってるから疑問が湧いてくる。
でも、成功体験、達成感は
どこで役立つかは不明である。
だから、自分の信じるところを
行なっていくしかないのだろう。

●地球外生命:No. 5071 2014.12.12

長沼毅・井田茂著「地球外生命
われわれは孤独なのか」
(ISBN978-4-00-431469-1 C0244)
を読んだ。
なかなか面白い本であったが、
専門や考えの違う研究者が
一つのテーマについて書くのはいい。
しかし、この本に関しては、
別々に書いたほうが面白かった。
お互いの専門に踏み込まないような
遠慮があったり、
思い切った意見表明が
されていない気がする。
二人とも十分一冊の本が書け
そこそこ売れるものになはるはずなので、
それぞれで書いて欲しかった。

2014-12-11

●デジカメの調整:No. 5070 2014.12.11

雪。江別

今朝も、雪が降っていた。
除雪は入ってなかったが、
薄っすらの積もっていた。
この調子なら、
いよいよ根雪になっていくのかもしれない。

金曜日には大学の忘年会がある。
そのとき札幌のCanonの
サービスセンターにいく予定である。
デジカメの調整を出そうかと思っている。
接写時と無限大のピントが
少々甘くなっている気がするので
調整してもらう。
またレンズ内に小さなゴミが
入っているのでクリーニングも
必要になっている。
保証期間なので
無料で修理してもらえるかもしれないが
まあ、調整が必要なので出す予定である。

卒業研究で、なかなか完成者が出てこない。
まだ2名のみである。
土曜日にも添削が必要になってきた。
飲み会の翌日なので
少々疲れているので
体力的には大変かもしれないが
学生のためなので仕方がない。

EarthEssay 1_138 地球の水の起源 4:ガス捕獲説

EarthEssay
1_138 地球の水の起源 4:ガス捕獲説
を発行しました。

これまで、地球の水の起源に関する2つの説をみてきました。
3つ目の説として、
ガス捕獲説を紹介します。
この説にも根拠はあるのですが、
少々立ち位置が違ったものです。

2014-12-10

●除雪が入った:No. 5069 2014.12.10

道。江別

昨日も時々激しい雪が降った。
今シーズンはじめて
自宅前の道路に除雪が入った。
道路の表面が凍り、
その上に新雪が降ったので
滑りやすい路面になった。

自宅を出た時、
除雪でつるつるの氷がむき出しになり
その上に新雪が降っていた。
道路がつるつるになっていた。
除雪の山を越えて道路にでたとき、
すべって転んでしまった。
今年はじめて転んだ。

今日もいろいろと詰まっている。
その合間を縫って校務をこなすしかない。

2014-12-09

●学生のいろいろ:No. 5068 2014.12.09

道。江別

昨日も、雪が時々激しい雪が降り、
今朝も薄っすらと雪が積もっている。
しばらく雪が降らないなと思っていたら、
急に雪模様となった。
まだ根雪にはならないと思うのだが。

昨日は一日ばたばたしていた。
卒業研究の添削が
ますます佳境になってきた。
この期に及んで
やっと自分の状況を把握して焦る学生もいる。
ずっと前から言っているのに
とこちらは思うのだが。

これから毎週のように飲み会がある。
まあ、疲れ気味でもあるので
飲んでウサを晴らしたい気もする。
大学の教職員の飲み会。
学生たちとの飲み会。
お気楽な酒飲み話をしたいものだ。
それまでにすべきことがあるので、
今は、精一杯頑張る時期だ。

2014-12-08

●コピーミス:No. 5068 2014.12.08

道。江別

土曜日の夜から雪が積もり、
日曜日も積もった。
今朝も新しいく雪が降った。
いくつかのところでは
除雪が入っていた。

日曜日、自宅で仕事をしようとしたら、
持ち運び用のハードディスクのデータに
自宅のデータをコピーしてしまった。
気付かずに、作業をしていた。
しかし、幸いなことに作業したのは
2つのファイルだけだったので
実質的に被害はなかった。
ただ、その後データの移動を失敗して、
自宅のノートパソコンに新規ファイルを残してきた。
まあ、自宅のパソコンにデータが残っているので
それを使えばいいはずだ。
今日、帰ったら
早速コピーをしなければならない。
1時間ほどの努力が無に帰する。

自宅で研究用のデータの整理をしていた。
どこかのサイトにデータがあるはずなので探したが、
それがなかなか見つからなかった。
仕方がないので、とりあえず見つけたもので
できるだけ精密なものを使って示すことにした。
そのデータでグラフをつくったが、
再度データを探したいが、
今日も時間があるだろうか。

●1たす1は2にならない:No. 5067 2014.12.08

三浦つとむ著「1たす1は2にならない」
(ISNM4-7503-2396-9 C0010)
を読んだ。
子ども向けの生き方、考え方の本である。
失敗をどう考えるか、
ものごとにはひとつの見方、考え方ではなく、
いろいろものがあることをしめしている。
いろいろな視点で書かれている。
もうひとつわかりにくい本だ。

2014-12-06

●体調に注意:No. 5066 2014.12.06

雪とタンポポ。江別

今朝は、薄っすらと雪が積もっていた。
量はそれほどでもなかったが、
一面真っ白になっていた。
久しぶりの雪景色となった。

今日は学生の添削が5名あるので、
いつものように大学でている。
隙間を縫って研究もできるかもしれない。

夜は学科の飲み会があるので、
夕方、街に出ることになる。
これから毎週のように街に出ることになるので
少々疲れそうだ。
風だけには気をつけなければならない。
最近、精神的に疲れているが熟睡できない。
夜中に目が覚めるの睡眠不足になっている。
体調だけには気をつけよう。

●ブルー・ゴールド:No. 5065 2014.12.06

真保裕一著「ブルー・ゴールド」
(ISBN978-4-02-264715-3 C0193)
を読んだ。
商社の若手だが有能な社員が、
会社の大きなミスの責任をとらされて
出向した会社は、訳のある会社で
いろいろ学びながら
大きな陰謀を暴いていくというストーリである。
会社の営業のテーマは水資源である。
なかなか面白かった。

2014-12-05

●父の形見:No. 5064 2014.12.05

霜。江別

今日は冷え込んだ。
風がなかったのでなんとか耐えられる。
いよいよ寒さが身に応えるようになってきた。
羽毛のジャンバーが使えらばいいのだが、
改造をしないと使えなのがつらい。

昨日は会議がびっしりあり
ほとんど研究はできなかったが
朝、少しだけ研究計画をねった。
それとデータを整理を少しした。
本当は論文を書くことも
したかったのだが、できなかった。

昨夜、母から荷物が届いた。
頼んで亡父の礼服だった。
他にも父が着ていた衣類が入っていた。
ズボンのサイズは合っていたが、
上着が小さかった。
ただし、礼服は少々大きめだったので
なんとか使えるかもしれない。
スーツはズボンだけが使えそうです。
父の形見として使っていこうと思っている。

2014-12-04

●論文構想:No. 5063 2014.12.04

冬芽。江別

今日は曇だが風がなくて
寒さも耐えられる。
毎朝寒いので
今日はベストを着てきた。
そのためかもしれない。

先日投稿した論文が
査読から返ってきた。
自分でも推敲をしていたので、
修正をして、すぐに渡した。
印刷された、校正がはいるが
それまでこの論文から手が離れた。

次なる論文を前から構想を考えているのだが、
これは、今回書いた論文の続きとなる。
今回のものは2編目である。
構想を考えていたが、
2編目の論文としては構想していたものが
ボリュームが増えたので
2つに分けたという経緯がある。
後半が書けていないので
その部分を中心に書いていくことになる。
そのため、当初3編の論文の予定が
全部で4編の論文になっていきそうである。
その3編目の構想を現在考えている。
早くその論文に時間をかけたいのだが
なかなか進めないのがつらい。

EarthEssay 1_137 地球の水の起源 3:レイトベニア説

EarthEssay
1_137 地球の水の起源 3:レイトベニア説
を発行しました。

レイトベニア説は、一度唱えられたたのです。
否定する観測値があったため、
否定されました。
しかし、別の観測結果から復活してきました。
この復活によって
新たな謎を生むことになりました。

2014-12-03

●デジカメ:No. 5062 2014.12.03

ハルニレ。江別

今日は晴れで風が強い。
冷え込んで寒い。
痩せたせいで、寒さがこたえる。
歩いていても大学についても
体が温まらない。
着るものを考えなければならない。

いつも定点でしている撮影が
今のカメラではブレて
使えないものが
多数できてきた。
暗さに弱いようだ。
少々、日常使いのカメラに不安がでてきた。
以前使っていたリコーのデジカメが
いかに良かったのか、
自分にあっていたのかがよくわかる。
新しいカメラを考えるのはまだ先だが。

●「とうさんは、大丈夫」:No. 5061 2014.12.03

佐川光晴著「とうさんは、大丈夫」
(ISBN978-4-06-216107-7 C0093)
を読んだ。
児童相談所の児童福祉司が
ストレスでうつ病にかかる。
治療をして復帰するときに、
児童養護施設でリハビリを兼ねて働き出す。
自主的に1週間の当直をかってでる。
幻聴や妄想が現実と錯綜して
トラブルをおこすぎりぎりのところまでいく。
家族との電話やメール、コミュニケーションで
なんとか踏みとどまっている。
そして1週間の当直を終えて
作品も終わる。

2014-12-02

●多忙と集中:No. 5060 2014.12.02

坂道。江別

今日は曇で風が強い。
冷え込んでいる。
道路には氷がはっていて、
雪もちらついてきた。

昨日はいろいろと雑用をこなした。
昼には急遽学生との打ち合わせがあった。
論文も少し手をつけた。
今日は講義が3つと
学生との面談がびっしりと予定が入ってる。

忙しいと、時間の流れが早い。
その隙間の時間に作業をすることになる。
時間が足りないので、
じっくりと考える余裕がない。
短時間で集中するしかないので
隙間時間でもそれなりの結果をだしてしまう。
でも、その内容は
間に合わせのものになっていく。
それが続くと欲求不満になっていく。
あと2週間ほどは、このような状態が続く。
それでも継続することが大切なのだろう。

2014-12-01

●研究もしたい:No. 5059 2014.12.01

青い空。江別

道路が濡れていた。
夜中に雨が降ったようだ。

寒さはそれほどではないが、
コートを冬用にした。
ただし、黒なので暗い時間帯に歩くので
車が横を通るので少々怖い。
しかたがないので
このまま着て行くことになる。

今日は出張の予定であったが、
調整ができないので、
出張を取りやめとする。
学生との添削は入れていないので
一日自分のためでだけに使える。
非常に贅沢に感じる。
まあ、校務や講義準備など
すべきことは多々あるので
それをやる。
研究もしたいのだが
時間ができるだろうか。

Monolog 155 岩石と弁証法

Monolog
155 岩石と弁証法
を発行しました。

自然科学と哲学の結びつきは、
一見すると不思議かもしれません。
しかし、思想の歴史をみると、
古代から自然科学と哲学は密接な関係がありました。
現代社会だからこそ、
科学と哲学の結びつきが重要であると考えられます。