2013-05-31

●春から夏へ:No. 4425 2013.05.31

芝桜。江別

今朝は、霧が出ていて風が強かったので
気温は低くないが、肌寒かった。
いよいよ暖かくなった。
天気が良ければ
歩いていても汗が出てくるほどで
昨日帰宅したらシャワーを浴びてしまった。
春から夏に向かっているようだ。

昨日は講義の後、
会議や面談があった。
一昨日の疲れが少々あるのだが、
こなすべきことはしなければならない。
ただし、自宅に帰ったらぐったり疲れていて、
夜はすぐに寝てしまった。
今日は夕方医者にいかなければならない。
隙間時間をみて論文を書くが、
なかなか進まないのがつらい。

●先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!:No. 4424 2013.05.31

小林朋道著「先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!
―鳥取環境大学の森の人間動物行動学」
(ISBN978-4-8067-1344-9 C0040)
を読んだ。
動物行動学の大学の先生が
大学や周辺の自然の中で起こる
動物に関わるいろいろな事件が面白く語られる。
現代のムツゴロウのような語り口だ。
気軽に読めるエッセイだ。

●メビウスレター:No. 4423 2013.05.31

北森鴻著「メビウスレター」
(ISBN4-06-273092-8 C0193)
を読んだ。
過去と現在、殺人事件、なりすまし、狂気、
複雑な関係を
複雑なトリックで書き上げている。
どんでん返しが何度も繰り返される。
私からすると技巧的にすぎる。
単純にストーリを楽しめる作品の方がいいのだが。

2013-05-30

●長距離運転:No. 4422 2013.05.30

新緑の並木。江別

今朝も小雨であったが、
風が強く傘がさせないほどだ。
雨の少ないので、
傘をささずにきた。
気温は低くない。
なかなか晴れが続かない。

昨日は日高地方に
教育実習生の研究授業の指導にいった。
久しぶりに長距離を運転した。
今回利用した高速道路は
以前いった時より延びていた。
カーナビには出ていないものだった。
延びた距離は少しだが、
気分的にだいぶ楽であった。
久しぶりの高速なので
行きは緊張した。
帰りはくたびれて眠くなりそうになった。
疲れたのだろう、
夜はすぐに寝てしまった。
今週はまだ校務が続く。
論文も進めなければなあ。

EarthEssay 5_111 地球型惑星 4:地球型惑星


EarthEssay
5_111 地球型惑星 4:地球型惑星
を発行しました。

ハビタブルゾーンでみつかった
3つの惑星についての紹介します。
そのうち2つの惑星は、
同じ恒星系から見つかったものです。
太陽系外惑星の発見から、
どんな可能性が描けるのでしょうか。

2013-05-28

●出張:No. 4421 2013.05.28

桜。江別

今朝も薄く雲がかかっている。
風がなかったので
コートを来ていると暑かった。
やはり5月も終わる頃だから、
気温はそれなりに高くなっている。

今日はひとつ講義を休みにして
校務をすることにある。
明日は、日高の方に
教育実習の指導に出かける。
高速道路があるので、
比較的楽につけるようになった。
自家用車で出かけることになる。
いつもの時間にでれば、
余裕でつけるだろう。
チャンスがあれば、
石でも見たいがどうなるだろうか。

2013-05-27

●霞:No. 4420 2013.05.27


コブシ。江別

薄く雲がかかっていて、
風があり、少々肌寒かった。
自宅を出る頃から
風のためだろうか、
少しずつ晴れてきた。
霞が少し残っているが、
晴れてきた。

今週は忙しいので、
今日はやっておかなければ
ならないことがいろいろある。
それをできるだけ早く
こなしておきたい。
そして論文の展開を
もう少し詰めておきたい。
さて、今日は早速はじめよう。

●神去なあなあ夜話:No. 4419 2013.05.27


三浦しをん「神去なあなあ夜話」
(ISBN-978-4198635060)
を読んだ。
「・・・日常」の続編である。
前作に続いて、なかなか面白い。
神去村の来歴、そして日常が語られる。
三浦女史の作品も外れがないな。

2013-05-24

●校務で街へ:No. 4418 2013.05.24


若葉。江別

今朝も曇って肌寒かった。
風もあったので、
コートを着て背中を丸めて歩いてきた。

最近カラスが活発に活動しだした。
例年より遅いようだが、
繁殖シーズンに入ったようだ。
また、通り道を考えないと
襲われることになるかもしれない。

今日は午後の講義のある
大学説明会の校務がある。
札幌まで講義が終わったら
あるホテルに向かうことになる。
いろいろと忙しいものだ。
それでも論文を書き続けなければならない。

●わかりあえないことから:No. 4417 2013.05.24


平田オリザ著「わかりあえないことから
コミュニケーション能力とは何か」
(ISBN978-4062881777)
を読んだ。
感覚的で抽象的なことだが、
実例、実践例があり
説得力ある内容となっている。
だが、私には実践の難しい内容だ。

2013-05-23

●抜かりなく:No. 4416 2013.05.23

桜。江別

朝から暗く曇っている。
昨日から寒い。
今朝も自宅で温度設定がしている
ストーブがついていた。

論文がはかどらない。
なにかと忙しくて時間が取れなかった。
これではだめだ。
わかっているのだが、
来週から忙しくなるので、
抜かりなく空き時間を
利用しなければならない。
少しでも論文を進めよう。

EarthEssay 5_110 地球型惑星 3:故障


EarthEssay
5_110 地球型惑星 3:故障
を発行しました。

今回は、予定を変更して、
ケプラーの最新ニュースをお知らせます。
宇宙望遠鏡であるケプラーは、
制御用の部品が壊れたため、
観測ができなくなった
というニュースが入ってきました。
その内容を急遽紹介します。

2013-05-22

●ジレンマ:No. 4415 2013.05.22


桜の花びら。江別

曇りである。
風はあって肌寒さがあったが、
気温は低くない。
ただ、曇りなので
あまり気温は上がらないだろう。

校務が立て込んでくると、
準備もそれなりに必要になる。
なによりも心が忙しない。
隙間時間をみて
論文を書こうとしているのだが、
なかなかはかどらない。
今月末には論投稿の申し込むことになる。
それまでに内容を固めなければならない。
当初、原稿がほぼあったものが、
まったく違ったようになり、
全面的に再構成、再執筆をしはじめることになる。
それなりに時間をかけなければならない。
一方、心が忙しい。
ジレンマになるが、書き続けるしかない。

●まず歩きだそう:No. 4414 2013.05.22


米沢富美子著「まず歩きだそう
女性物理学者として生きる」
(ISBN978-4-00-500616-8 C0237)
を読んだ。
以前学会でお会いしたことがある。
チャーミングな女性であった。
でも強い女性で、
きれいな女性もである。
科学者としても一流である。
良き妻でもあった。
彼女は「走り」続けている。
無理しながらも、自分に限界を設けず
さらなる高みへと走り続けている。
充実した人生だろう。
でも、私は彼女のようには生きられない。
しかし、まずは歩きだす大切さを教えてくれる。

2013-05-21

●春の醍醐味:No. 4413 2013.05.21


桜。江別

朝まで小雨が降っていた。
自宅を出ることには雨は上がっていたが、
歩いているうちに青空が広がっていた。
しかし、雲が厚くまだ残っているので
晴れたり曇ったりするのだろうか。
気温は上がってきて暖かい。

ヒバリが鳴いていたが、
春を思わせる。
雨に打たれた弱っていた桜。
少し花びらが散りだしたが、
晴れで少し元気を盛り返しているようだ。
いよいよ桜が満開となった。
青空と桜。
この組み合わせは春の醍醐味だ。
また森の自然の中に入りたくなった。

●フェルメール 光の王国:No. 4412 2013.05.21


福岡伸一著「フェルメール 光の王国」
(ISBN978-4-86324-040-7 C0095)
を読んだ。
展示されているフェルメールの全作品を
見て回る企画である。
3作が見れていない。
2つは個人所有で見学の許可がおりず、
一作は盗難されて行方不明。
他にもフェルメールの作品があるのではないか。
それが顕微鏡をはじめてつくった
レーウェンフックの顕微鏡スケッチが
フェルメールではないかという著者の仮説は、
面白い。
確かに、それ以降のスケッチとは明らかに
タッチが違う。
面白い旅である。
私もこんな興味を持てればと思える。

2013-05-20

●ビックデータ:No. 4411 2013.05.20


桜。江別

今朝は雨だ。
暖かい雨である。
土曜日が晴れで、
昨日は曇り、そして今日は雨。
桜の満開の時期だが、
咲いたらすぐに雨。
桜にとっては、厳しい春だろう。

自宅で2日間かかってデータを
ダウンロードしていたが、
1つはうまくいったが、
2つ目は不調で、何度もやりなしたが、
途中で無線LANがダウンした。
何度も繰り返しをしていたので、
家族が困っていた。
2つ目は別の時期に
らなければならないだろうな。
光回線をもってしても
大きなファイルがあるので、
困ったものだ。
ビックデータを個人が扱える
時代になったということもでもある。
個人でビックデータとどう付き合うか。
提供側が配慮すべきか、
使う側が配慮すべきか。
使用頻度や提供者の状況にも依存する。
私の場合は、自己責任で対処すべきなのだろうな。
そんなことを考えた。

2013-05-17

●忙しさに追われて:No. 4410 2013.05.17


桜。江別

今朝は雲が流れているが、
晴れ間が出ている。
風は冷たかったが、
晴れれば気温は上がるだろう。

今夜は学生との飲み会だ。
来週からはいろいろ校務がはいって
落ち着かない日々が続く。
どんな人も、日々忙しければ
その忙しさにも馴れるだろうか。
そんな馴れによって
忙しさが当たり前になることは怖い。
自分自身にやるべきことには優先順位があるはずだ。
自分の優先順位において
忙しさをどう分配していくかは、
重要な課題だ。
ひとりひとりにとって
優先順位が違うはずなので、
どの忙しさに甘ん、背を向けるのかは
違ってくるはずだ。
とりあえずは、現状の私には
目の前の忙しさをこなすしかないのだろうなあ。

●香菜里屋を知っていますか:No. 4409 2013.05.17


北森鴻著「香菜里屋を知っていますか」
(ISBN978-4-06-276834-4 C0193)
を読んだ。
香菜里屋シリーズの
最後の短編が幾つか収録されている。
常連達が何人か別の道に進む話があり、
最後に香菜里屋が閉じる。
その謎が、他のシリーズの登場人物が
絡んで解いていく。
北森氏の小説を読んでいるものにとっては、
楽しい展開である。
最後に楽しいを終わりを披露してくれた。
本の最後に、未完の時代小説が掲載されていたが、
今後の展開が気になるが、
もう、それも望めない。
寂しいものだ。

2013-05-16

●大変更:No. 4408 2013.05.16


雫。江別

今朝も、雨が降った後だった。
連日、雨模様だ。
暖かい日があっても、
すぐに寒くなる繰り返しだ。
花も遅い。

隙間を見て、
論文を少しずつ書きたしてる。
昨日、全体の構成を見なおした。
視点を変えたので、
まったくの書き直しのように
なってしまいそうだ。
そのために思索が
深まればいいのだが。
また集中力が必要になる。

EarthEssay 5_109 地球型惑星 2:ケプラー


EarthEssay
5_109 地球型惑星 2:ケプラー
を発行しました。

人類の好奇心として、
地球外生命の存在の有無は、
もっとも刺激されるものでしょう。
そんな好奇心をくすぐるようなニュースが相次いでいます。
今回は、そのニュースの一つを紹介します。

2013-05-15

●あるがままに進む:No. 4407 2013.05.15


実。江別

今朝は、雨が出る直前まで降っていた。
気温はやはりあまり上がらず、
風があったの寒かった。

なぜか疲れが溜まっている。
少々風邪気味なのかもしれない。
いつも明け方目がさめるのだが、
今朝は、目が覚めることなく、
いつも起きる時間より
少し遅くまで寝てしまった。
しかし、あまり疲れが抜けた感じがしない。

3、4生の教育実習がはじまった。
来週から実習指導がはじまる。
遠方もあるので、休講がいくつもあるろう。
実習が多いと調整はできない。
まあ、これはしかたがないことだ。
あるがままに進むしかない。

101 白神岬:錯綜の津軽海峡

 白神岬は、北海道の最南端です。本州と北海道の間には、津軽海峡があり、目と鼻の先ほどの距離しか離れていません。しかし、両者の間には、時空をこえて、さまざまなものが錯綜しているところです。

 今年の北海道は、春が遅く、ゴールデンウィークも天気が悪く、肌寒い日が続きました。その後も春の暖かい日は少なく、出かけることもままならず、今回は、昔行った白神岬の紹介をします。
 白神岬は、北海道の南部(道南)にあります。道南は渡島(おしま)半島と呼ばれています。渡島半島は、曲がりくねっています。北側はアルファベットのCの形で、南はYの字を逆さまにしたような形をしています。ただし、Yは左(西)に倒れています。Yの下側(南側)は、東に亀田(かめだ)半島、西に松前半島に分かれています。ただし西に倒れているので、松前半島の方が、南に下がっています。南の一番先端が白神岬です。文字で説明するとわかりにくですが、地図をみると白神岬の位置はすぐに分かります。
 今述べたような形をしているため、白神岬が北海道の最南端となります。ただし、渡島小島(おしまこじま)は、白神岬より、さらに南にありますが、無人の島なので除きます。北海道では最北端や最東端は、ロシアとの国境や北方四島の関係で、たびたび話題になることもありますが、最南端は話題になることはほとんどありません。
 最南端ということは、本州に一番近いところになります。ただし、本州の最北端は、下北半島の大間崎(おおまざき)で、そこは白神岬より北になります。北海道と本州が一番近いのは、亀田半島の戸井と下北半島の大間岬の間です。
 白神岬が向かい合っているのは、津軽半島の竜飛崎(たっぴざき)になります。そこまでの距離は、20kmほどです。天気が良ければ津軽半島がよくみえ、下北半島や亀田半島もみえます。
 そんな近い本州と北海道は、青森-函館を結ぶ青函連絡によって、1908(明治41)年から結ばれていました。船が列車をそのまま載せて運ぶ形式の運行でした。
 私が大学生の頃は、青函連絡を利用していました。海路は天候の影響を受けたり、人の移動も飛行機の利用が増えたことから、1988(昭和63)年に廃止されました。JRは運行していませんが、民間のフェリーが車や人を運んでいます。
 JRの列車は、現在、青函トンネルを利用して運行されています。青函トンネルは、竜飛崎からはじまり、白神岬の東を通って知内(しりうち)で終わります。
 青函トンネルのルートを決定するにあたり、2の候補がありました。津軽海峡は狭く、白神岬からは竜飛岬が、亀田半島からも大間崎が間近に見えるます。青函トンネルは当初、最も近い大間-戸井(とい)の間の東ルートが考えられていました。しかしこの東ルートは、水深も深く、地下の地質も安定していないので、西ルートとなる現在のルートが選択されました。
 作りやすい西ルートでも、青函トンネルは難工事の連続でした。
 1961(昭和36)年3月23日に北海道側から掘削がはじまりました。海峡は200m以上の深さがあり、その中でも浅いところを選んでの掘削でした。先進導坑で掘削技術の開発もしながら、本坑の他に作業坑の掘りながらの作業となりました。海底下にあたるところは23.30kmの長さなのですが、青函トンネルは、最深部は海面から240mも下を通っています。高速の列車が通るためには、傾斜を緩くしていかなければならず、トンネル部は、53.85kmと倍以上の長さになっています。本坑が貫通したのは1985(昭和60)年3月10日で、営業開始は1988(昭和63)年3月13日でした。工事だけでも、24年かかっています。
 最近、話題になった北海道新幹線も、在来線が通る青函トンネルを利用します。もともと青函トンネルは、新幹線の規格を考慮して作られており、のちにスーパー特急方式の新幹線の原型となりました。しかし、北海道新幹線の計画は休止されたままで、やっと新幹線が通ることになったのです。
 新幹線の速度が上がると、すれ違う貨物列車に損傷を与えるため、トンネル内は時速140km(現在時速200km以上を検討中)に落とさなくてはならず、時間短縮のためのボトルネックの一つになっています。
 さて、車で函館方面から白神岬に向かうには、国道228号線を進みます。知内町から福島町までは内陸を進みますが、福島町の町を抜けると、海岸を進むコースになります。白神岬に近づくと道路はトンネルが多くなり、険しい海岸線になります。海岸には岩礁も見えてきます。
 トンネルや覆道の連続する海岸沿いの道を進むと、覆道の途切れたところに駐車場があり、白神岬という石碑があります。白神岬とはいっても、駐車場と石碑があるだけの、ささやかのものです。しかしここも松前矢越道立自然公園の一部となっています。私が行った日は天気がよく、少々霞んでいましたが、遠くまでよく見ることができました。
 駐車場の一番奥に海岸に下りる階段があります。そこから海岸に下りると、岩場になっていて、岩石をみることができます。白神岬の駐車場には寄っても、海岸に人ははほとんど来ないようです。そんな人は非常に残念な気がします。白神岬では、ちょっと変わった岩石がみられるからです。
 露頭では、地層のようなものが見られます。ただしこの地層には、何種類かの岩石が複雑に入り乱れています。ぐにゃぐにゃに曲がったり、違った種類の岩石が入り混んでいたりと、複雑なつくりになっています。岩石は入り乱れて混沌としてますが、岩石の境界ははっきりとしています。
 階段付近にはチャートと呼ばれる岩石があります。黒っぽいもの、白っぽいもの、緑がかった灰色のものなど、さまざまな色のチャートがあります。少し離れたところには緑色の玄武岩があります。また、泥岩と砂岩の繰り返しの地層もあちこちみられます。
 これらの岩石は不思議な組み合わせです。玄武岩はマグマが固まったもの、チャートは深海底にたまった生物の死骸が固まってできたもの、泥岩と砂岩の地層は陸から運ばれた土砂がたまったものです。もう少し詳しくいうと、玄武岩は、海底の中央海嶺というところで、海底火山によってできました。海洋プレートが形成されているところです。チャートは、中央海嶺から離れた海底で静かに、玄武岩の上にたまったものです。海洋の真ん中、海洋プレートが移動中に長い時間をかけてたまったものです。泥岩と砂岩の地層は、陸から河川によって運ばれた土砂が海岸付近にたまったものです。さらにそれが、海底地すべりなどで、より深い大陸棚や海溝まで移動したものです。
 白神岬の岩礁は、いろいろな場所やいろいろな成因による岩石が、集まってがっちりと固まっているのです。硬くなっているということは、どこかで出会い、地下の深いところで圧し固められたということになります。
 海でできた岩石と陸付近でできた岩石が出会い、固まるような場所、それは海溝です。海溝は、沈み込み帯と呼ばれるところです。陸近くの大陸棚の下に、海から来た海洋プレートが海溝で沈み込みます。
 海洋プレートの玄武岩は海嶺でできす。海洋プレートが海嶺から海溝まで長い時間移動している間に、生物の死骸が玄武岩の上にたまり、チャートができます。海洋プレートが沈み込むときに、一部が陸側に剥ぎ取られることがあります。剥ぎ取られた海洋プレートの一部は、大陸側の岩石の中にまぎれこんでいきます。このような岩石の混合物からできた地質体を、付加体(ふかたい)と呼んでいます。
 付加体の形成は、地下浅所では岩石が割れることなく変形したり、条件によっては割れてくっついたり、複雑な状態になって固まっていきます。付加体はつぎつぎと形成され、古いものほど深く押し込まれていきます。やがて高い圧力がかかるようになり、硬い岩石となります。白神岬には、このようにしてできた付加体が顔を出しているのです。
 白神岬の岩場には、近くの斜面から転がってきたのでしょうか、火山砕屑岩がありました。似た岩石が付加体の中にはないことから、この岩石は付加体由来ではありません。岩石の種類は安山岩で、付加体とは関係のない新しい時期の火山活動から由来したものです。実は、白神岬周辺には、中新世(約2200万年前~1500万年前)に活動した火山噴出物が点々と分布しています。そんな火山岩の基盤となっている岩石が付加体なのです。
 付加体ができたのは、約2億年前~1億4600万年前(ジュラ紀前期から中期)のことだと考えられています。付加体を特徴づける昔の海溝、あるいは海洋プレートの上に広がっていた海は、今はみることはできません。付加体は、古い時代の海溝や沈み込みの名残りで、火山岩は、現状の沈み込み帯に由来する火山活動です。2つの沈み込み帯、そして沈み込み帯の活動の深部と表層の様子を、白神岬ではみることができます。
 津軽海峡が深いのは、もともと地形的低くなっているのと、侵食のためだと考えられています。断層があるためではありません。大きな断層がないのは、北海道と青森は地質学的には連続していることらかもわかります。ですから、津軽海峡は、今の日本海と太平洋より新しくできた海であることがわかります。そんな新しい海峡の下を、今は、日本人の長い時間をかけた叡智の結晶が、トンネルとしてあり、そこを新しい新幹線が通ろうとしています。白神岬からみえる津軽海峡は、さまざまな時代のさまざまな構造物が、錯綜している場なのです。

・断層・
津軽海峡はもともとの地形的低まりと
侵食によってできたものです。
もし大きな活断層あったら、
青函トンネルも危険にさらされるでしょう。
幸いなことに、大きな活断層は見つかっていません。
ただし、大間崎沖には東西方向に延びる
「活断層」が推定さています。
この「活断層」をめぐっては、
大間原発建築の可否の鍵を握ることになるかもしれないので
大きな議論となっています。

・監視・
かつて北海道の北方にはソビエト連邦があり、
アメリカとの冷戦状態の時がありました。
軍港のウラジオストックから太平洋に出るためには
津軽海峡を通ることになります。
日本は日米安保条約にもとづき、
ソビエトを仮想敵国としていました。
そのため、津軽海峡が戦略的要路となっていました。
白神岬のすぐ上の山には、
今も、海上自衛隊の松前警備所白神支所があります。
津軽海峡側の竜飛警備所と対になり、
津軽海峡を監視、警戒していました。
この場所が選ばれたのは、
旧陸軍の津軽要塞白神砲台跡があったためでしょう。
白神岬と竜飛崎からみれば
津軽海峡が監視できるということです。

GeoEssay 101 白神岬:錯綜の津軽海峡


GeoEssay
101 白神岬:錯綜の津軽海峡
を発行しました。

白神岬は、北海道の最南端です。
本州と北海道の間には、
津軽海峡があり、
目と鼻の先ほどの距離しか離れていません。
しかし、両者の間には、
時空をこえて、
さまざまなものが錯綜しているところです。

2013-05-14

●桜には青空が:No. 4406 2013.05.14


雫。江別

今朝は雨上がりの濡れた道を歩いてきた。
気温は着実に上がっている。
ただし、コートがないと肌寒い。

本来なら春の芽吹きが続いているはずだが、
今年の芽吹きは遅れている。
畑の作付けも遅れているようだ。
気温も低め、そして何より日照率が低い。
寒い春となっている。
桜もやっと蕾だ。
今週末辺りが桜が咲き始める頃だろうか。
しかし、なかなか晴天にならないので、
桜をみることができないかもしれない。
桜には青空が似合う。

2013-05-13

●疲れが抜けない:No. 4405 2013.05.13


若葉。江別

今朝は曇で風があり、肌寒かった。
来る途中、小雨が降った。
なかなかいい天気が続かない。

土曜日は天気が悪く、寒かった。
日曜日は午前中は晴れていたが
午後から曇ってきた。
2日間、自宅にいた。
講義が始まって、
疲れがたまるようになった。
そのため、土日は休みたくなる。
休むと自宅にいて運動をしないから、
余計に疲れが抜けないのかもしれない。
なんだか悪循環にハマっているような気もする。

●動的平衡2:No. 4404 2013.05.13


福岡伸一著「動的平衡2」
(ISBN978-4-86324-044-5 C0098)
を読んだ。
本としてまとめて書かれたものではなく、
あちこちに書かれたものを集めたものである。
面白い議論があっても、
充分論じられず、
結論が不確か、不明瞭であるように
感じた部分が何箇所かあった。
残念である。
もっと深く議論してほしいところだ。
売れっ子になると
まった文章を書く余裕がないのだろうか。
しっかりした議論をした本が望まれる。
いくつかの書き下ろしの新書で
展開されたような内容を望むのだか。
そんな著作内容への動的平衡を期待したい。

2013-05-10

●科学と芸術:No. 4403 2013.05.10


ツクシ。江別

今朝は晴れ。
気温もだいぶ上がってきた。
少し残雪があるが、
暖かくなってきた。寝るときには
上掛けと毛布を重ねていた。
昨夜はあたたかなったので、
毛布をよけて寝たが
寒さを感じなかった。

岩崎秀雄著「<生命>とは何だろうか」
に関連して、生物学と芸術の関係について考えた。
生物の形態、生態を
芸術にするのは理解可能だ。
しかし、どう考えても
合成生物学の手法を
芸術に持ち込むのは不安だ。
芸術は美しくなければならないとは思わないが、
危険性をはらむものについては抵抗がある。
そんな感想を持ちながら、
自分の携わる地質学を舞台に考える。
以前博物館で特別展示を担当する時
地質学と芸術の連携を試みていたが、
転職のために叶えることができなかった。
心残りはある。
砂、鉱物、岩石などの
素材、形態、構造を利用した芸術は、
だれが見てもわかるし、
心を動かされるものもある。
もちろん、不思議な、前衛的な
芸術もあっていと思う。
重要なことは、
そこに危険性を感じることはないし、
実際の危険性もないことだ。
そのようなものを目指すのはいいし
私自身もそのような志向はある。
自分自身は模索しているが、
なかなかいい方向性がみつからない。
そのようなことを考えることも楽しい。

●<生命>とは何だろうか:No. 4402 2013.05.10


岩崎秀雄著「<生命>とは何だろうか」
(ISBN978-4-06-288193-7 C0245)
を読んだ。
合成生物学として生命をつくろうという話と
生物の実験室でおこなわれている手法や現象を
芸術に利用する動きなどが紹介されている。
生命の本質をどう捉えるか。
深く思考している。
しかし、その思考は私には理解できない。
合成生物学と芸術をあわせた方向性は、
理解できる。
しかし、そこにある危険性が
本書でも指摘されているが不安だ。
合成生物学で展開されている全体観に理解できない。

2013-05-09

●バージョンアップ:No. 4401 2013.05.09

雫。江別

今朝は、晴れだ。
雲が少しあったが、
太陽がでていた。
風はまた冷たいが
太陽が当たるとさすがに暖かい。

昨日、晴れていたので
森をまた通って帰った。
一昨日あふれていた小川が
昨日は水が一気に減っていた。
5月なので晴れれば
気温は高いので
雪解けは一気に進むのだろう。

研究費で今までのホームページを
作成するソフトをバージョンアップした。
見かけが変わっただけで、
使い勝手は変わっていない。
環境設定が少し楽だったところが
変わったくらだろうか。
今までのソフトとバージョンアップする
必要性があったのだろうかという疑問もある。
深い使い方をしていないのだが
ある時思い切ってバージョンアップしておく
必要があると思っている。
システムが上がっていくとある時
古いバージョンが使えない時がくる。
その時慌てて移行すると
業務に使っていれば
戸惑い、支障をきたすだろう。
それに備えてソフトを
バージョンアップしておかなければならない。

EarthEssay 5_108 地球型惑星 1:ハビタブルゾーン


EarthEssay
5_108 地球型惑星 1:ハビタブルゾーン
を発行しました。

地球は、人類にとって唯一無二の存在で、
どんなに文明が進んでも、
人類は地球に住み続けると思います。
興味として、地球以外の天体や、
太陽系以外の惑星に生命はいないのか、
というもの常にあります。
科学も両面の探査を続けています。
最近、太陽系以外の惑星に大きな進展がありました。

2013-05-08

●春の森:No. 4400 2013.05.08


つくし。江別

今朝も寒い。
風があるのでより寒く感じる。
雲が流れて
晴れたり曇ったりしている。

昨日は午後から久しぶりに
晴れ間が長くでていて温かかった。
それを見て、
森を通る道で遠回りして帰った。
雪はほとんど消えたが、
除雪の雪山がところどころ残っている。
融けた雪が小川を溢れさせていた。
前に通った時より、少しは春は進んでいる。
フキノトウはだいぶ出ていたが、
フクジュソウはだいぶあちこちに芽を出し、
日当たりのいいところでは、だいぶ咲いていた。
エゾエンゴサク、ザゼンソウなどが少し咲いていた。
春の森が始まりつつあるけど、
まだぱっとしないなあ。

2013-05-07

●春まだ浅く:No. 4399 2013.05.07


つくし。江別

今朝は晴れ間が見えたが
雲が流れて、晴れたり曇ったりしている。
朝も冷え込んだ。
水たまりに氷が張っていた。
氷点下になっている。
自宅ではストーブがついている。

例年であれば、
畑の準備が始まっているはずだが、
今年はまだ始まっていない。
畑ではヒバリがないているが、
肌寒さを感じる。
桜もまだだ。
ゴールデンウィークも終わったのに、
春はまだ早い。

2013-05-06

●無為な休日:No. 4398 2013.05.06


つつじ。江別

今朝も、雨である。
歩いていれば寒くはないが、
歩き始めは寒い。
多分気温はそれほど寒くはないが、
湿度が高く
日がささないので、
暖かさがあまり感じないのだろう。

世間は今日も休日であるが、
大学は今日から通常授業がはじまる。
あまりに長い休日はつらい。
今回のゴールデンウィークのように
天気が悪いと、外に出ることができないので
自宅で過ごすことになる。
このような休日が長期間つづくと
時間を持て余すことになる。
長男はクラブにいっているので、
そこまで時間を持て余すことはないが、
次男は前半クラブがあっただけで、
後半はクラブもなく
時間を持て余しているようであった。
学校からは宿題があるそうだが、
なかなかそれでは埋まらないようだ。

例えば定年退職をしたひとが、
やりたいことがなければ、
一日は長く退屈なのだろうなあ。
自分もやがては、そうなった時、
時間を持て余さないためには、
大変だけどやりたいことを幾つか持つこと。
野外でも、室内でもできることを
いくつか持つことが大切であろう。
以前もそんなことを考えた。
見つけるまでは、
時間的な余裕があるが、
少しずつ見つける必要があるだろう。
無為の長い休みのあと
そんなことを考えた。

●ぶぶ漬け伝説の謎:No. 4397 2013.05.06


北森鴻著「ぶぶ漬け伝説の謎」
(ISBN978-4-334-74631-5 C0193)
を読んだ。
京都の文化や慣習などを題材にした
ミステリー?である。
確かに事件が起こるが、
京都のマイナーな部分を
題材にしているので、
少々不思議な京都案内としても読める。
そして何より登場人物が活き活きとしている。
でも、このシリーズも
もう読めないと思うと寂しいものだ。

2013-05-04

●用足し:No. 4396 2013.05.04


ずっと天気が悪い。
気温も低い。
さんざんなゴールデンウィークだ。
それでも休日である。
子どもたちも休みが長すぎて持て余し気味である。
大人は、淡々と日々のことを進めるのみ。
天気がわるので、外へでるもの億劫だ。
買い物などの用足しだけだ。

●宇宙に終わりはあるのか?:No. 4395 2013.05.04


村山斉著「宇宙に終わりはあるのか?」
(ISBN978-47649-5517-2 C3042)
を読んだ。
講演会やアカデミーなどでの話をまとめたものだ。
だから少々強引な物言いをしているとこがある。
しかし、一般向けにはその方がわかりやすこともある。
一線級の研究者が
周辺の研究を紹介してくれるのは
エキサイティングである。
ただし、それなりの書き手である必要はあるが。

2013-05-03

●親離れ、子離れ:No. 4394 2013.05.03


今日も冷たい雨である。
所要があって大学に朝から来ている。
ただし、昼には帰宅する。

子どものが独自に
行動するようになったので、
親は親だけの行動をすればいい。
昨日までの休日は
子供達の学校も休みであったが、
クラブにでていたので、
自宅でぼんやりした。
今日は子供達はクラブは休みだが、
ふたりとも友達と出かけるそうだ。
子供達は親離れしてきたので、
親も子離れする必要があるようだ。
少しずつだろうが。

●不完全性定理とはなにか:No. 4393 2013.05.03


竹内薫著「不完全性定理とはなにか」
(ISBN978-4-06-257810-3 C0241)
を読んだ。
正式に不完全性定理を理解するには、
論理学を理解することが重要になる。
しかし、本書は他にも同等の結論を得る方法を教えてくれた。
また、不完全性定理の適応範囲も示してくれた。
不完全性定理については、
何度か読んだが、
いすれも複雑で、難しい。
本を読んだ直後は理解できた気になるが、
しばらくすると輪郭だけになり、
その輪郭もぼやけていく。
私にとっては不完全な理解だからだろうな。

2013-05-02

EarthEssay 6_110 新鉱物 3:付加体


EarthEssay
6_110 新鉱物 3:付加体
を発行しました。

レアアースを多く含む新鉱物の発見は、
ただ発見だけにとどまらないかもしれません。
そこには、一攫千金ではありませんが、
大きな可能性を秘めています。
一つの鉱物が、いったいどんな夢をみせてくれるのでしょうか。

2013-05-01

Monolog 136 信頼度:誤差の背景


Monolog
136 信頼度:誤差の背景
を発行しました。

分析データについている誤差には、
統計処理以外にいろいろな背景があります。
単純にデータのばらつきを表す精度、
真の値とのズレを考える確度、
さらに総合的な誤差の評価としての再現性があります。
正統派な手順を踏んでいれば、
誤差は精度のみと考えればいいのですが、
もしかすると、そこに落とし穴があるかもしれません。